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高木浩光@自宅の日記

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2004年08月18日

リンク管理脳に蝕まれた新聞社たち

著作権のあり方がいろいろな意味で問われている昨今である。行き過ぎたプロパテント指向、あるいは硬直した様式作成事務員脳が、かえって新たな文化の創出にパスワードブレーキをかけてしまっているのではないかとの指摘もある。

そんななか、産経新聞に先進的かつ文化的な記事が掲載されていた。

  • 産経新聞, 【横車】著作権意識, 2004年8月16日

    子供文化の歴史を紹介する本で、「赤い鳥」の創刊号の表紙を掲載しようとしたところ、表紙絵の版権継承者から許可が下りず掲載できなかったという話を、担当編集者から最近聞いた。

    (中略、本文参照)

    キャラクターコンテンツがビッグビジネスとして成立する現在である。だからなのだろうか、新聞の文化欄での紹介であっても、掲載料を支払わなければならないとは、いささかびっくりした。

    (中略、本文参照)

    著作権意識の徹底は重要だが、記事や論評的な紹介については、キャラクターや図版の掲載許諾を版権所持者や継承者の考え方だけにゆだねるのではなく、しかるべき場で明確な判断基準を示すべきではなかろうか?(獲)

ぜひ一度まず全文に目を通してもらいたい記事だ。

これを論評した、「高森太郎の日記。」の「産経新聞記事『著作権意識』についてちいと雑感。」も興味深い。

この記事では、文化を紹介する記事、新聞の文化欄にてさまざまな著作物や記事を扱うのに、著作権の壁に阻まれて、表紙などを利用できなかったり、または利用料を求められたことがあったが、これでは具体的な場面を紹介しながら展開する記事がかけなくなってしまう、しかるべき場でちゃんとした判断基準を作るべきだ、という論調になっている。詳しくは元記事を。

が、これを見て(略)

高森太郎の日記, 産経新聞記事『著作権意識』についてちいと雑感

さて、この産経新聞のコラムのパロディを創作してみたので以下に掲載する。


【前車】リンク管理権意識

個人情報漏洩の事例などを紹介し議論するメーリングリストで、産経新聞の事件報道の記事へディープリンクしようとしたところ、産経新聞社デジタルメディア局管理部からの許可が10日待っても下りず、議論することさえままならないところだったという話を、あるメーリングリストのアーカイブで見た。

昭和初期に創刊された日本を代表する報道紙として「産経新聞」の果たす役割は絶大で、その記事は、事実関係の確かさを証明するものとして外すわけにはいかない。

なんとも釈然としない気分であったが、国民的新聞 YOMIURI ONLINE の記事も、同様にディープリンクには了承が必要だという。個別の事件を議論する中での紹介であっても、著作権管理事務員の判断如何(いかん)でリンクできないというのはいかがなものか?

たしかに、読売新聞のような人気新聞になると、それにリンクするだけで商売されてしまうという危惧(きぐ)はあるだろう。勝手に、毎日継続的に全部の記事へリンクしてしまうというのは、編集著作権の侵害になるとする考え方もありなのかもしれない。

しかし、新聞記事の原文がないと、議論の参加者が議論の内容を理解しがたいことも少なくない。一考の余地がありそうだと、ある一流新聞の偉い方に話したら、個人的には全く同意だし、以前から口をすっぱくして言っているのだが、会社は硬直していてどうともならないという返事が返ってきた。

現在掲載中の事件報道記事を、その内容の信憑性の確かさから一場面を紹介して引用すべく、出典明示のためリンクの許諾を得ようとしたら、なんと10日間も放置プレイに遭ったという。

インターネットコンテンツが広告収入ビジネスとして成立する現在である。だからなのだろうか、庶民の噂ばなしの席でリンクするのさえも、事前に許諾を得なければならないとは、いささかびっくりした。

こうなると、具体的な事件を紹介しながら議論する学術論文の公表さえも、ネットでは成立しえなくなってしまう。

著作権意識の徹底は重要だが、記事の論評的な紹介については、個別記事へのディープリンク許諾を、新聞協会や新聞社管理部門の考え方だけにゆだねるのではなく、しかるべき場で明確な判断基準を示すべきではなかろうか?(爆)


参考検索:

予告:

  • 拡大するリンク管理脳汚染

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