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高木浩光@自宅の日記

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2009年12月20日

Nyzillaは12月23日公開予定

アイコンやロゴのデザインは外注した。今回はその他の費用を含めてけっこうな額の私財を投じてしまった。

画面キャプチャ
図1: Windows版 Nyzilla 1.0

デバッグは終了。あとは、コード署名用クラス2証明書を取得するための、StartCom CAからの本人確認の郵便物が届くのを待つのみ。間に合うのだろうか。*1

Winnyネットワーク観測関係者向けの連絡事項

今回、Winnyプロトコル互換の閲覧ソフト「Nyzilla」を一般公開することにより、少なからず、Winnyネットワークの観測結果に影響を及ぼす可能性があります。すなわち、Nyzillaの利用者がWinny利用者として計数され、無視できない数に及ぶ可能性を否定しきれません。できるだけその影響を小さくするために、いくつかの工夫を施しています。

(1) Nyzillaは、標準設定ではPort0接続だけを使用するようになっています。Nyzilla利用者がデフォルト設定の『「Port0」接続だけを使用する(推奨)』のまま使用している場合には、そのNyzillaのIPアドレスとポートが、Winnyノードとして他のWinnyノード(接続先の隣のノード)に伝達されるという事態(コマンド4による伝達)は生じないはずです。したがって、アクティブ型クローラ(パッシブ型ではない)が、Nyzilla利用者をWinnyノードとして観測することはないはずと考えます。*2

(2) 利用者が設定を変更し、『「Port0」接続だけを使用する』をオフにした場合、Nyzilla利用者のIPアドレスとポートは、Winnyノードとして他のWinnyノードに伝達されます。その結果、複数のWinnyノードから、当該NyzillaノードのIPアドレスとポートを示すコマンド4が観測される事態になると思われます。ここで、コマンド4の内容からNyzillaであること(通常のWinnyでないこと)を判別できるよう工夫しておきました。リリースされたNyzillaのアクティブ接続の挙動をご確認ください。

(3) また、利用者が『「Port0」接続だけを使用する』をオフにすると、Nyzilla上で待ち受け接続(ポート番号は7743で固定)が開始されます*3。利用者がいわゆる「ポート開放」をしている場合、クローラは、Nyzillaノードにも接続することになります。このときも、(2)と同様の方法*4で、Nyzillaであること(通常のWinnyでないこと)を識別できるよう工夫しておきました。リリースされたNyzillaのパッシブ(待ち受け)接続の挙動をご確認ください。

この情報は、こちらで既に把握している関係者の方々には個別にご連絡します。*5

*1 間に合わなかったら、署名なしでリリースするかも。

*2 パッシブ型の観測が行われている場合、Nyzilla利用者が、そのIPアドレスとポートを指定してアクセスしたときには、それが観測されるでしょう。このとき、接続元がNyzillaであることを示す単純な仕掛けは用意していませんが、挙動で判別することは可能でしょう。

*3 コマンド33切断要求(BadPort0警告)による効率低下を回避するためのもの。

*4 同一ではありません。

*5 その他の関係者の方についても、お尋ね頂ければお答えする用意があります。(場合によってはお答えしないこともあります。)


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