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高木浩光@自宅の日記

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2013年02月23日

武雄市役所が組織ぐるみの著作権無視 以前から常習の疑い

「共感の魔法」「面白くて癒される」などと、全国各地で絶賛されている武雄市長の講演。その人気の秘訣はベールに包まれ、他に類を見ない講演がどうしてそう易々とできるのかと不思議に思われていたのだが、1月21日に徳島大学で開かれた講演会「徳島ICT研究協議会「市民の知恵で地方の元気を回復!武雄市モデル 地方自治2.0 とは?」」で、地元の人がこれをスネークして告発したことで、その一部始終が暴露された。

要するに、映像を多用する講演のようで、映像に登場する人物を示しながら、「もう顔つき悪いでしょう。足を引っ張る奴は人相悪い奴なんですよ。ほんと。これはね、絶対そうです。」「また人相悪いですね。日本図書館協会、これ最悪ですねこいつらほんと。」などと市長がツッコミを入れるものだったという。

特に、講演時間の後ろ約半分を使って、NHK福岡放送局の番組「特報フロンティア “公共”は打ち破れるか〜ある地方都市の挑戦〜」のほぼ全編丸ごと20分ほどを上映して、市長が逐一ツッコミを入れるという形の講演だったようで、番組中で登場した石垣市商工会の理事に対して、「やな顔してますね〜」と言って会場の笑いを誘うものだったそうだ。

このようなスタイルの講演を準備する様子が、市長の講演前日のfacebookエントリにて明かされている。何者か(「miniminibank」)によってYouTubeにアップロードされたNHKの当該番組(パート1、パート2、パート3)をリンクで示している。

武雄市は、以前から、市長のみならず、市役所の広報の公式ページでも、こうしたテレビ映像を紹介することがたびたびあり、さすがに市役所がすることだけに、テレビ局の許諾を得ているのだろうと思われていた。

ところが、「特報フロンティア」についてNHK福岡放送局は、「確認したが、許諾について申請を受けた事実も、許諾した事実もない。」としていることが明らかになった。

そして、2月13日には、NHKが武雄市長に対して「今後、NHKの番組を講演会で使用しない」と約束させたことが明らかになった。

これについて市長は以下のように主張している。

となると、他の放送局も含め、たくさんのテレビ映像が無許諾で上映されているのではという疑いが出てくるわけで、有志らによって現在、確認が行われている。

このYouTubeアカウント「kyusyutanken」は、誰のものなのかが以前から謎とされてきた*1が、ここにきて「このチャンネルは閉鎖されたため、利用できなくなりました。」となった。

画面キャプチャ
図: 「kyusyutanken」が閉鎖された様子

@baked_pudding氏の調査によると、「kyusyutanken」がアップロードした動画はそのほぼ全てが、武雄市役所のfacebookページに掲載されているのだそうだ。その結果、市役所のページが以下の状態になっている。

画面キャプチャ
図: 武雄市役所の公式facebookページでYouTube動画が削除となっている様子

こうしたことについて、武雄市の市政アドバイザーの一人である杉山隆志氏が、2012年7月の時点で、「この番組はいろんなところでF&Bホールディングスの説明資料に使えそう」とツイートしていたことが判明した。

そして、さらに調査が進むと、武雄市役所の公式アカウントが自らYouTubeにテレビ映像をアップロードしていたことまで判明。

このケースが、KBC(九州朝日放送)の許諾を得ないで掲載していたものなのかは、まだ調査中のようだが、こうした動画は、市長の講演のみならず、市役所に視察に訪れた他の自治体の人々にも上映していたようで、また、市職員が出張先で上映していることもあるようだ。その様子が、市の広報課職員による写真で公開されている。

画面キャプチャ 画面キャプチャ 画面キャプチャ(追記:3つ目を追加)
図: 武雄市の広報課職員らによるテレビ上映の様子を写したものらしき写真

その他、市の広報課職員がMacのiMovieで動画を編集している様子も発掘された。職員自らの写真で公開されているのだが、そこに、こんな一言が書かれていた。

画面キャプチャ
図: 武雄市の広報課職員による動画編集の様子(25日追記:25日6時現在、削除されたもよう。)

ここ最近、絶対に安全な場所、ネットの向こう側から、人の足をひっぱるためだけになされる生産性のないマイナスな「こだわり」と対峙していました。

古賀 敬弘さんの写真アルバム(1月25日)(リンク切れ)

武雄市役所と著作権を巡っては、去年、武雄市のfacebookページで、やたら新聞記事を転載していることが問題となり、何人もの人が問い合わせたり、意見を書き込んだりした結果、今では、許諾を得て転載している旨が明示されるようになっている(例:2月7日の武雄市facebookページ)。そのとき指摘されていたのは、「子供も見ているのだから」という点であった。

誰でもインターネットを使える今、子供達にどうやって著作権のことを理解させるかは、なかなか難しいものであるところ、市役所が、許諾の有無をはっきりさせないまま新聞を転載していたのでは、子供達はそれが普通と勘違いしてしまいかねない。そこで、「この記事は○○新聞社の許諾を得て掲載しています」との表示が付け加えられるようになったのだ。テレビ映像についても同様の配慮が必要であろう。

ちなみに、市長と著作権を巡っては、12月に次の騒動もあった。

一事が万事だろう。

追記

この問題を指摘してきた崎山伸夫氏に対し、武雄市長は、次のように、「東芝の崎山さん、何が目的なんだろうか?」と、崎山氏の勤務先の会社名を挙げて、「東芝もこんな人がいて大変だ。同情します。」としている。(こうした行為は、1月30日から繰り返されており、Togetterの「佐賀県武雄市樋渡市長と東芝」にその様子がまとめられている。)

*1 このことは、2012年2月の時点で以下のように疑問が呈されていた。これに対し、市長の「いいね!」はあったものの、それっきり武雄市役所からも市長からも説明はなかった。

画面キャプチャ

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&amp;nbsp;武雄市役所が組織ぐるみの著作権無視 以前から常習の疑いより気になった点を---ほぼ全編丸ごと20分ほどを上映市長のみならず、市役所の広報の公式ページでも、こうしたテレビ映像を紹介することがたびたびあり、さすがに市役所がすることだけに、テレビ局の許諾..

小春日和:武雄市と著作権 (2013年03月01日 13:13)

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