2月15日補足:日付を間違えていた。「今日は」とは2月3日のこと。2月3日の日記として書いたつもりが、2月4日で登録してしまっていた(書き始めたのは2月3日だが書き上がったのは2月4日の朝だった)。既にあちこちからリンクされているので変更はしない。
ストリートビューについてグーグル社との意見交換があるというので、今日は休暇をとって、東京都情報公開・個人情報保護審議会の傍聴に行ってきた。録音も撮影もOKとのことで、公開の場であることが強調されていたので、今回はメモはとらず、会話は録音して、会場の様子を写真やビデオに収めてきた。
グーグル社からは、執行役員で広報部長の舟橋義人氏とポリシーカウンセルの藤田一夫氏が出席し、主に藤田氏が説明と質疑への応答にあたった。事務局から前回議事録等への補足の後、藤田氏から25分ほどのプレゼンテーションがあり、その後、委員との意見交換が65分ほど続いた。
以下、録音を聴きながら重要な部分をかいつまんで要点をまとめた。グーグル側の発言はできるだけ発言に忠実な文にした。なお、傍聴して私が感じたことは脚注に記す。
冒頭、事務局から次の説明があった。
「前回の審議会資料の中において、『グーグル社では人の顔や表札、ナンバープレートなどが判別できないようにぼかしを入れている』という記載がございましたが、この点については、『人の顔については自動認識によりぼかし処理を行っているが、日本ではナンバープレートについては解像度の問題でほとんど識別できないと思われるため、現時点では顔以外には自動的な処理は行っていない。表札についての自動認識によるぼかしは検討中。』とグーグル社が表明しているとのご指摘を頂きましたので、この点については、正確なところを本日、直接ご説明頂ければと思います。」
この点について、藤田氏のプレゼンテーションの中で次の説明があった。
「さきほどご指摘がありましたけども、顔は自動的にぼかしが入りますけども、車のナンバープレートはぼかしは入っておりません。ヨーロッパではナンバープレートは現時点でぼかしが入っております。この差はなぜなのかといいますと、ヨーロッパの方が画像がスペックが高くてはっきり見えると。日本のストリートビューの画像はヨーロッパよりも劣るものでございます。よって、ナンバープレートははっきりと認識できないという関係で、自動ぼかしは入れておりません*1。万が一、所有者の方やご家族の方に見えるんだというご指摘がありましたら、それはそれに従って削除するなりぼかしを入れるなり措置はこちらのサイドから取らせて頂きます。」
最初に藤原静雄委員から質問:「これだけ多くの自治体、あるいは弁護士会、あるいは各種団体が懸念を表明しているが、それについてどう思うか。また、国内の現状は、現在進行形で粛々と進んでいるのか。」
グーグル藤田氏:「たくさんの地方自治体、弁護士会から頂戴していて真摯に受け止めております。全部ではないんですけども、ほとんどこちらに意見書にまとめられた内容というのは確認させて頂いております。まあ、意見書をまとめられるのは勝手(笑)、自由なものですから、(笑)止めることはできませんけども、内容をちょっと拝見しまして、けっこう残念なのは、具体名は申しませんけども、実は、事実と異なることを記載されていたというのがあります。たとえば、具体例で言いますと、カナダ・フランス等ではですね、条例規制等々ヨーロッパではストリートビューを規制するものがあるのだと、名前は申しませんが某自治体(笑)*2ではですねそういった記載がありました。それは非常に我々としては事実とは異なるので、残念だなあと思うのと同時に、我々のコミュニケーション活動がまだまだ足りないなと考えております。それから、2番目の質問ですけども、今後どういった町等々に展開するうんぬんかんぬんですけども、これはですね(笑)、なかなかちょっと社内上ですね(笑)、どこの町にストリートビューを展開するかは申してはならない(笑)ということがありまして、ご勘弁を願いたいと思います。するともしないとも現時点では言えません。」
再び藤原委員:「やるともやらないともわからないし、どこへ行くともわからないというお話だが、環境保護の世界にアセスメントというものがあるように、カナダでは、これは行政機関だが、プライバシー・インパクト・アセスメントと言って、個人情報を収集するといった影響を与えるだろうと事前影響評価手続きがあるが、それは公的部門なのだが、たしかにグーグルは民間の事業者だというのは承知しているが、これだけ世の中に反響を呼ぶことをするときに、こういうことをやったら世の中の人はどう思うだろうかとか、こういう結果がどう対処しようだとか、事前の手続き的なものはなかったのか。」
続けて藤原委員:「それから、先ほど(プレゼンテーションで)、情報の民主化を進めていらっしゃるとのことだが、民主主義は大変多様なものであって、かつ、民主主義は個人の参加を前提としているものであり、グーグルが情報の民主化と言われるのであれば、このサービスに関係する個々の個人が、事前に嫌なものは嫌、あるいは異議を申し立てる権利を事前に表明するというようなことは全く考えておられないのか。」
<中略>
続けて藤原委員:「今日頂いたパンフレットの『よくある質問』によると、「Q.規制を受けたことはありますか? A.ありません。」とあるが、事前調整はやっているわけですよね。事前の規制を受けたことはあるんじゃないですかね。たしかに、グーグルを狙った法律等はないけども、各種法律とどうなるかという調整を、先ほど(プレゼンテーションで)おっしゃられたようにやっているとのことなので、この『よくあるご質問』の書き方は必ずしも正確でない*3。『アドバイスを頂いて運営しています』と書いてあるのだから、やっぱり事前の調整はやっているんですよね? であるとすると、『規制を受けたことはありますか』というのは……、ドイツでは強硬に反対している自治体がございますよね? そこについて議論はしているのですよね? 」
高橋和之委員:「今の質問とほぼ同じになるかと思うが、この事業を始められる前に、デメリット、問題になりそうなことについても検討されたんだろうと推測しているが、内部の検討過程で、どういうことを検討をされたのか。プライバシーについて当然考慮されたと思う。主務官庁に相談はされていないのか。」
<中略>(主務官庁はないという話)
グーグル藤田氏:「プライバシーについて、サービス開始前に関係者への説明はなかったのかですけども、日本では関係者への説明というのはしておりません。今考えると、しておけばよかったなと。意図的にしなかったのではなくて、海外では、先ほど(プレゼンテーションで)表に見せましたように、サービス開始前に接触しているではないかとご指摘がありましたが、これは呼びつけられてなんかこう(笑)無理矢理行ったというのではなくて、我々から率先して自ら説明したいとして接触したもので、とくにそこに、こういった規制が法律があるがために、許諾を得るためという趣旨で訪れていたわけではありません。では、どうして外国と日本でそういった違いがあるのかと思われるかもしれませんが、各委員ご存じのように、海外には、プライバシーコミッショナーと言いまして、プライバシー専門の中央政府機関が存在していて、日本もプライバシーを扱っているのは地方自治体で各課レベルではありますが、国の、霞ヶ関の政府で、プライバシー専門に扱っている専門機関というのは、私の勉強不足かもしれませんが、存在していない、窓口がないと判断しまして、そういった関連もございまして、事前に評価等、検討をさせて頂きます機会がなかったというわけでございます*4。総務省、経済産業省も、我々の事業に関係していますけども、各省ともプライバシーを専門に扱う局、課というのは存在していないと認識しております。もしあれば、もちろん我々は行ってたと思います。」
<中略>
藤原委員:「今進んでいることについて、事後でなくて、事前に展開することは可能なのではないか。」
グーグル藤田氏:「今後新しくサービスを展開する地方自治体には事前にお知らせしていきたいと思います。事前調整というのは、今考えると、我々の反省材料と思っています。言い訳にはなるかもしれませんが、プライバシーコミッショナーが存在していないというのが大きな点でした。2番目としては、地方自治体に事前に協議の場を持てばよかったと、今となっては反省しています。
高橋委員:「ということは、プライバシーの問題はあり得るということの認識はあったわけですよね。始められる前に。」
グーグル藤田氏:「そうですね、あの、苦しい言い訳(笑)かもしれませんが、えーと、私じゃないんですが、ストリートビューを担当する者が、社内で法律を担当している者がおりまして、法律を担当している者が、個人情報保護法と道路交通法の法律のチェックをしていまして、プライバシーはもちろん議論の俎上にはのぼったんですけども、優先、そのときは、なんといいますか、深く検討していなかった。地方自治体と協議を持つべきだという声はなかったです。その後、私がこういった関係の職務をしておりますので、サービスほぼ直前に近いくらいのときに、こういったサービスを開始するということがありまして、プライバシーに対して<聞き取れず>したんですけども、まあ、今からではちょっと、詰めが甘かったと言わざるを得ません。今後はこういうことはないようにしていきたいと思っています。
高橋委員:「私は、なぜこういうことを訊いたかというとですね、デメリットがあるというご認識があればね、バランスの問題だと思うんですよ。メリットはもちろんある。しかしどういう場合にデメリットの方が大きくなるかということを考えられ得たんではないかと思うんですね。その一つの場合として、おそらく、住宅専用地域、これについていろいろ批判が出ていますよね。予め考えれば、住宅専用地域については除外するとしてもいいんじゃないかとする考慮が、なされなかったのかと、確認したいという意味があったのですよ。住宅専用地域でもメリットとしてさきほど説明、パンフレットにありましたけども、不動産業者が使うだろうとか、たしかにそれはメリットだろうと思います。でも、他方で、家というのもプライバシーだというご認識があればね、どちらの方を重視すべきかという考慮になり得たんでないかなという趣旨なんですよ。ですから、さきほどの説明では、家もプライバシーと理解しているから、要求があれば削除しましょうと、それはそれで解決方法であり得ると思うんですけども、もうひとつの解決方法としては、今後の問題として、住宅専用地域なんかはやはりデメリットの方が大きいんではないかというバランスのしかたもあり得るんではないかなと、意見として申しておきます。」
中村輝子委員:「さきほど、自治体の意見書について、間違いがあるとだけおっしゃったので、ちょとまだ、自治体の方から具体的な形で懸念表明されていることについて、グーグルの社内で本当にどこまでそれを、真摯に受け止めているとおっしゃいましたが、検討されておられるのか。」
<中略>
続けて中村輝子委員:「それから、顔のぼかしも自動的にとおっしゃったけれども、それにしてはずいぶん初めからいろいろ<聞き取れず>、つまりそれは、技術的な面、その他の情報提供ということのグーグル社側の、これでいいのかという<聞き取れず>どの程度なされたのか。」
グーグル藤田氏:「意見書の内容が誤りだったという点、自治体側に100%責任があるとは申しておりません。我々のコミュニケーションが足りなかったと。内容に関しては、ほぼすべて目を通させて頂いておりますし、全部ではないですが大方の地方自治体に連絡を取らさせて頂いて、どうしてこういう意見書を書かれたのかというのも問い合わせさせて頂いております。中には、ほとんどコピーペーストとい言いますか、ある地方自治体とそっくりな内容のものがあって、それについて私どもが質問したのですけども、特に、ヨーロッパやドイツ<聞き取れず>ある地方自治体がそういう意見書を書かれていたので、それを参考としてコピペしたというふうなことを(笑)言われまして、これはもうますます我々としては、待っているんではなくてですね、こちらから各自治体にはこちらからコミュニケーション活動をしてでも、積極的に<聞き取れず>思っております。で、どのくらい真摯に捉えているかと言いますと、ここに載っている自治体のみならず、他の地方自治体にもですね、機会あるときに連絡はさせて頂いています。そしてまたお問い合わせがありましたら、<聞き取れず>。今後は、<聞き取れず>。」
続けてグーグル藤田氏:「また、住宅の指摘ですけども、これは、気持ち悪いとかですね、不快だと言わるともう反論の余地がなくてですね、非常に悩ましい問題でございます。<聞き取れず>こういった反応が起きるだろうという想像力が欠けていたというふうに認めざるを得ないと思います。カメラ高さで、塀を越えて中庭が見えるということがありますけども、車とカメラ高さは米国とおそらく一緒でございます。ご存じのように、米国では公道からといっても、一戸建てはかなり距離がありまして、とくに中庭が見えるというのに関しては、問題は、ゼロではありませんけども、それほど強くないと。日本の場合、一般の一戸建ての場合、公道に面しているという住宅事情がありましたので、そういったことを我々、事前にきちんと把握していなかったというのは、認めざるを得ないかと思います。今後は我々の教訓とさせて頂きたいと思います。」
続けてグーグル藤田氏:「で、実際にどうするかというのは、本国、それからストリートビューの担当の者、法務の者、役員ときちっと情報は絶えず共有しております。実際にどうするかですけども、まさに今、社内で議論中で、どう議論するかと言いますとですね、たとえばこう、カメラ位置なり仕様なりサービスのし方を変えるというのは、変えるのは物理的にできなくはないんですが、ひとつを変えると、アメリカもオーストラリアもヨーロッパもたくさんありまして、試行錯誤を重ねたのになぜ変えるんだという、なぜ日本だけそうカメラ位置を変えるんだという、社内の説明責任というのが出ます。日本がやるとなるとじゃ今度は、ベルギーでもフランスでもイタリアでもノルウェーでも、各国の要望があればすべてをその国に対応をして、もうバラバラなサービス展開ていうことも社内的にはあります。そうしますと、ストリートビューの写真を見た場合に、アメリカで見るものと、日本で見るものと、ノルウェーで見るものと、イタリアで見るものとバラバラになりかねないということがございます*5。だから何もしないってわけではないんですけども、こういったことは社員に激しい議論を要求しますので、これは、我々としては社内、外もそうですが、内側でも非常に激しい議論が要求されますので、軽々にこの場で、いついつどこまで(笑)<聞き取れず>(笑)社内で議論していくことは、日本だけでなくグローバルで議論していくことは間違いございません。」
堀部政男会長:「音声が聞き取り難いのはスピーカーのせいですか。調整してみてください。」
<中略>
藤原委員:「さきほど、データ保護当局がないからとおっしゃですけども、それは議論のすり替えじゃないですかね。データ保護当局がなくても、プライバシー侵害の危険があると思えばですね、法務部なり社内で議論を詰めるべきものであって、慎重に調査をすべきであってですね、日本での<聞き取れず>について。何もせずにやってしまって、後で考えたら、各国には保護当局があったというのは、後付けとしか発言がとれないと思いますけども。保護当局があるかどうかということと、プライバシー侵害があたることを知っててやっていいかどうかというと、なお悪いんじゃないかという気がします。」
続けて藤原委員:「それから、各国バラバラになってはいけないというグローバルな観点からとおっしゃいいますけども、今のグローバル企業というのは、多様性を、地域の多様性を認めると言っているのではないかという気がしますけども。とくにプライバシーの問題というのは、当該国の文化等によって規定されるされるわけですから、その多様性、固有性、個性というのを尊重してこそグローバル企業ではないかと私としては申し上げておきたい。バラバラになるからできないっていうことだと、不安に思っている方々に対しての説明になっているのかなと。」
<中略>
続けて藤原委員:「それから質問ですけども、さきほど、表札とか顔でも、顔がきっちり認識されるもの修正しますとのことでしたが、修正される前のデータは誰がどう保存しているのですか。つまり、表札消すわけですよね。削除するわけですよね。削除前のデータは必ず消去されるのですか? これは文字通り個人情報保護法上の問題ですよね。<略>」
<中略>
グーグル藤田氏:「最後の部分だけが質問というふうに捉えてよろしいでしょうか。」
藤原委員:「元データはどうしているのですか?」
グーグル藤田氏:「元データは保管しております。」
藤原委員:「ああそうですか、個人情報保護法上、元データを保管しているとしたら、取り扱い事業者……」
グーグル藤田氏:「元データ削除です。元データ、削除された画像ということですか?」
藤原委員:「削除する前の画像は保管されておられるかどうか。」
グーグル藤田氏:「保管、保管はしてないです。」
藤原委員:「削除後も、保有しておられるのかどうかという。」
グーグル藤田氏:「保存していないです。はい。」
<中略>
高橋委員:「グーグルさんとしては個人情報保護法上の個人情報ではないという理解で事業を展開してこられたのかなと推測しているのですが、まあこれ難しいのですけどもね、住宅なんかは、プライバシーの問題は別にして、個人情報保護法上の個人情報になるかどうかですね、名前住所がわかれば出てくるわけですね。そうすると容易に照らし合わせて判別できるということになり得るんではないかという、今のところ私自身は考えているのですが、個人情報保護法の適用内に入って来得るんではないか、まあちょっと難しいんでですね、もっとよく考えてみないといけないと思ってるんですが、仮に個人情報保護法が適用されるとした場合には、個人情報保護法で要求していることを考慮して、違反しないように事業をしていっていただかないといけないことになると思うんですが、そういった点についてどうお考えになるのか。たとえば、第三者提供を目的とした事業ですけども、その場合に、情報を違法に取得しちゃいけないというのがありますよね。騙して取ったりしちゃいけないというのが中心になっているかもしれませんけども、私自身は、プライバシー侵害的に取得するのも違法な取得に入ってくるんではないかなというふうには思っているんですよ。特に住宅地域なんかを、相手の同意なしにバッと写していくということですね、これは違法取得に該当するかもしれないという問題が、出てくるかなという気がしますし、オプトアウトはやっていらっしゃるとそれはよいのですが、第三者提供を目的とした事業の条件というのがありますからね、それとの関連を詰めてもらったほうがよいかと思います。」
<中略>
藤原委員:「私がさきほど個人情報ということを申し上げたのは、原則的に個人情報データベースに当たるかという議論が難しいことを前提に、そうじゃなくて、表札とか顔がわかる元データを、完全に個人を認識できるものをずっと、提供しているものとは別に保管しておられたら、それは別の次元の話になるのではないかと、そういう意味でございます。」
グーグル藤田氏:「住所を打ち込むとその場所が表示されます。ただ、名前を打ち込むと本人の自宅とか勤め先が出るとかそんなサービスは一切持っておりません。ただ、個人情報保護法に関して、あるいはプライバシーに抵触するので撮影すること自体が違法ではないかという点については、貴重な専門家からのご指摘と受け止めまして、社内で検討させていただきたいと思います。」
<中略>(どうやって利益を得るつもりなのかの質問とその回答)
中村委員:「各国でばらばらになるとさきほどおっしゃいましたが、まさに各国事情というものを考えなければならない技術であるというのが、前提ではないかと思うんですね。表札ひとつとっても、これは日本の社会の独特なひとつの表現の形態でありますし、東京都など大都市の、住居と公共施設が非常に混在しているあり方、大規模な都市であること、こういうことひとつとっても、ベルギーの町とかですね、同一の基準、同一の価値観で運営できるわけがない。ですから、そういうようなことも全て含めてですね、これからになるかと思うんですけども、そちらとしては本社に対して、それこそ説明責任を持たねばならないんではないかと思うんですね。最初からアメリカで発信された<聞き取れず>ということだけで情報の民主主義というのは語れないのではないかと思います。」
グーグル藤田氏:「各国事情を考慮する。おっしゃった通りかと思います。最近、日本代表の社長が替わりまして、プレスの方々にも説明しましたが、今後は対外的な説明責任を新体制では旧体制と違って、率先して活動していきたいと思っております。それは、当然本社等、海外等を含めて、ポリシーチームというのが社内にありまして、かなりこの問題には意見を述べておりまして、かなり煙たがられている状況です。日本の事情をかなり上げていて、日本はなんでそんなにリクエストが多いんだと言われるくらいにやっております。もちろんそれで十分だとは認識しておりませんで、さらにもっとうるさいと思われても、社内調整を今後進めていきたいと思っております。」
グーグル舟橋氏:「ちょっと補足させてください。各国事情を配慮するというのはまさしく今後そういう戦略、方針で行きたいというふうに考えております。会社としてですね。責任、ストリートビューに関しても、説明すべきところは説明し、製品の仕様、サービスのあり方を改善すべきところは改善して、技術的に解決できるものもございますので、技術的にもチャレンジしていくというのが今後の方針です。」
堀部会長のまとめ:前回の11月25日と今日2月3日、当審議会としてはストリートビューについてとりあげました。今日は直接話を聞いてまた質問をしていただいた、こういう機会<聞き取れず>。一昨年からこういう個人情報とかプライバシーに関わる会議では何かにつけて話題になってきたテーマでして、そういう中でいろいろ議論してきた点からしますと、今日の委員の点など踏まえて、こういうふうなことが言えるのではないかと思います。一つは、グーグル社としてテクノロジーの発展を最大限利用して、世界中の情報を<聞き取れず>されていくと。それはひとつ重大な意味を持つと思います。その場合にどうしても現行の法のコンセプト、あるいは現行法とうのをどう見ていくのか。これはテクノロジーの発展、テクノロジーをどう発展させていくのかというのは、現在の法がどうであろうということをむしろ無視してでも、一々どの法律に照らしてどうなのかということを考えながら進めていくというのはまあないわけで、むしろ現行法には違反してでもどんどんテクノロジーを発展させていくということがあります。たとえば、これはよく言われる例でいきますと、グーグルの検索システムというのも、日本の著作権法との関係で問題があるわけですが、アメリカではフェアユースの考え方もあって、<聞き取れず>ということは可能だし、コンピュータも国内にあるわけではないから日本の現行との関係では、日本ではそれについて<聞き取れず>。この検索システムが発展して大変便利なものをこちも利用しておりますけども、逆に日本の著作権法の改正をどうするかとこういう議論になってきておりますよね。そういう点で、技術の発展と現在の意識あるいはそれに支えられている法というものとの関係というのは常にあるわけで、技術的にできるから現行法を無視していいのかというとなると、やっぱり、公的ルールとの関係で何か考えなければならないということはあるのではないかと思います。もう一つは、グーグル社はグローバルな企業でして、そのためにどうしても、特にアメリカのスタンダードに基づいて技術についても考えるという傾向があるように思います。これは他のグローバルな企業の方と議論していても、だいたい他のそうですね、国の考え方で各国の事情などはあまり考えないで<聞き取れず>しているということもあるわけでして、そういう中で、しかし一方では、これだけ多様化している世界の中でそれぞれの文化なり考え方なり、先ほどからも出ていますように、日本の場合では住宅地では表札を掲げるというのが慣行としてありまして、中には家族の名前まで掲げているところもあるわけですね。イギリスとかアメリカですと表札はない。ストリートの名前と番地だけで、実際家族と生活してみましても、前に住んでいた人の手紙がどんどん来るわけです。場合によってはそれは請求書であるようなものも入ってきていますが、いちおうポストマンにはこの人はもう住んでいないからと対処していましたが、そこも表札でその家に住んでいる人が誰であるかということを日本では重視するのに対して、少なくともイギリス、ロンドン市内ですが、アメリカでもハーバードの近郊などですと、そういったことはないといったことからしますと、そういうアメリカ的なスタンダードで見ていくと、日本社会との軋轢がやっぱり生じてくる。いろんな住宅の<聞き取れず>についていろんな意見が日本で特に出てきたということもあるのですが、そういった違いがあるからではないか。そういったあたりを今後どうしていくのかというのがあります。そういう中で、今日の議論で結論を出してどうするという話ではないんですが、今日いろんな意見が出ましたので、それをもとに、またおそらくこういう形で各委員がそれぞれ良識ある観点から意見を述べるというのは非常に貴重だと思いますので、ひとつひとつは申しませんが、今日出された意見などにつきまして、グーグルでも少しご検討頂いて、もし可能であれば、3月にこの審議会開かれますので、回答を頂ければと思います。特にその中で、当審議会の事務の範囲で言いますと東京都の個人情報保護条例なのですが、国の個人情報保護に関する法律、この中で、法律に基づいて自治体がというのもございますので、ここでは単に東京都の個人情報保護条例ばかりではなくて、個人情報保護法も含めて議論することになると思います。プライバシーの問題というのは<聞き取れず>、個人情報保護法との関係について、今日も個人情報に当たるのではないかという意見もありました、あるいは個人情報保護法の適用もあるのではないかという意見もありました。そのあたりをグーグルとしてはどのように考えられるのか、個人情報保護法の適用があるとなりますと、法律に従った通知をしていかなければならない。前回も出たんですが、プライバシーポリシーを見ていても、ストリートビューについては、11月に見た範囲では、全然書いてない。そうしますと、そこはどうなのか。それと、要請があれば削除はしますとなると、これも個人情報保護法23条2項のオプトアウト類似のもの、となると、グーグル自身も個人情報保護法の適用をいちおうあると観念しているようにも見えるんですね。そうでないとたぶん言われると思うんですけども。そういうふうになっていきますと、それぞれの程度の関係でどうなるかということもあろうかと思います。その他、海外の状況も今日ご説明頂いた<聞き取れず>、それぞれの法文化といいますか、リーガルカルチャーというのがありまして、それとの関係で考え方も違いがあるという点が、どうしてもグーグルのようなグローバルな企業からすると、そのあたりをどこまで各国の法文化、法を念頭においてサービスを提供するのかというあたりは、おそらく、技術の面、グローバルな面からしますと、あまりそのあたりを考えずに展開されているということかと思います。しかしどうしても、具体的なサービスとの関係では問題が出てきますので、そういう点についても、どうしたらいいのかということについては、ご回答頂ければと思いました。ということで、いずれにしましても事務局の方でまとめて頂きます。ということで、最後に、いろいろさらにご発言されたいこともあるかと思いますので、ぜひおきかせ頂きたいと思います。
グーグル藤田氏:「本日は、お招き頂き大変ありがとうございました。皆様からの貴重なご意見ご指摘を頂きまして、これはきちっと社内に持ち帰りまして、必ず検討させていただきたいと、もちろん日本だけでなく他国のオフィスの方にもきっと<聞き取れず>させて頂きます。地域の事情への我々の判断が足りなかったのではないかと思います。グーグルという会社は、舟橋も私もエンジニアではないのですが、エンジニア中心の会社で、新しい技術はどんどんどんどん開発していって、リーガルとか倫理とかというのは、チェックしないわけではないんですが、最優先事項ではない、イノベーションが第一というのがあったかと思います。ただ、そうは言っても、創立10年を越えまして、大人の会社といいますか、成熟した会社としての振る舞いというのは今後求められていくんはないかと思います。そういった面で、関係者の皆さまとエンジニアではない私どもがコミュニケーションをとりながら、どうしたら各国で、受け入れられるのか、法律のみならず、習慣にも敏感に感じ取って社内に共有して事業を運営していかなきければならない。同時に、エンジニアの方はなぜそんなことをやらなきゃいけないんだ。イノベーション、イノベーションなんですけども、社内調整に非常にエネルギーを使うんですけども、これはもう成熟した大人の会社運営に向けてですね、越えなければならないハードルだと思っております。今後は機会があればいつでも我々はオープンにしてですね、ご質問やご意見を賜ればいつでも<聞き取れず>。本日はどうもありがとうございます。」
グーグル舟橋氏:「本日はこういう機会を与えて頂いて本当にありがたく思っております。今後、グーグルの考え方を皆様により深く正しくご理解頂くために、できるだけこういう場には出席させて頂いて、いろんなご説明を差し上げたいと思いますので、ぜひまた機会を頂ければと思います。それから、さきほど、エンジニアが強くて、リーガルが甘いという話がありましたが、そんなことはありません。強力なリーガル部隊がおります。しかしながら、各国の事情、文化、風習などを考えるとですね、各国でサービスを展開していく上で、それだけでは不十分であるということが、明らかになりつつあるのかなあというふうには感じております。その辺は、今後グローバルな企業としてですね、しっかり強化していかなければならないと思っております。本日はありがとうございました。」
<以上>*6
関連報道:
「堀部会長のまとめ:<略(あとで)>」と記載していた部分について、堀部会長のまとめ部分を書いた。
*1 画像が荒いせいで画像処理によるナンバープレートの自動認識がうまくいかないというのが、本当の理由ではないだろうか。ヨーロッパでは、プライバシー法制上、ナンバープレートの消去が必須で、そのため、高解像度の撮影システムを用意するまで始めることができなかったというのが、本当のところではないだろうか。
*2 笑いながら話す癖のある人はよくいるけれど、なぜそうなるのだろうか。笑わずに話した方がよいのに。
*3 私もそれは思う。ナンバープレートの件ひとつとってみても、ヨーロッパでは消さずには開始できなかったという点で既に規制されている(日本とは違って)。
*4 これは正論だと思う。日本のプライバシー法制が根本的なところから立ち後れているのが、事態の根源と思う。
*5 むしろ、現状の方が、見えるものが違っている。なぜなら、住宅環境の異なる国に同じ仕様を適用したのだから。まさに、見えるもののレベルを合わせるためにこそ、仕様の方を変えるべきだ。
*6 削除要請の件数、実際に削除された件数はどれだけなのか、他国と比べてどうなのかについて、委員からの質問はなかった。答えないにしても、答えられないという回答が議事録に記載されることに意義があるのに、残念。「今後は機会があればいつでも我々はオープンにして、ご質問やご意見を賜ればいつでも」と言う一方で、削除の件数は答えないというのはおかしいのではないか。
この審議会では、副次的なことばかりが審議されていて、肝心のことが審議されていないのだ。(茶番があるというよりは、空っぽである。)
第39回東京都情報公開・個人情報保護審議会を開催 東京都 http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2009/01/40j1r300.htm 〔これまでの経過〕 ■トップ>情報公開の窓>情報公開・個人情報保護審議会> http://www.metro.tokyo.jp/POLICY/JOHO/JOKO/index.htm ●第38回公表..
これは黙っていられないね。(http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20090204.html#p01) 社会をバカにしている。Google はとてつもないイノベーションを私たちの生活にもたらしてくれたけど、ここで発言しているのはただの子どもだ。言い過ぎだとすれば、学生レベルだ。 米国 Go