国会議事録(3月14日の法務委員会)にこのようなやりとりが記録されていた。
○竹花政府参考人 先ほど来法務省の方からの答弁にもございましたように、ウィニーというソフト自体を、法令に違反する、そういう存在として定めている法令がないわけでございますので、そのもの自体を取り締まることは現行法令においては難しいものと私どもは思っております。
しかしながら、ウィニーというものあるいはそれに類似した機能を有するものが今後さまざまな形であらわれていくであろう。しかし、それが有用な側面を持つ一方で、悪用されるおそれもあるという点について、私どもといたしましては、今後の状況を十分注視しながら、適切な対応が必要な場合も生ずるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○高山委員 それでは、最後に法務大臣に伺います。
このウィニーというソフト、便利な反面、法務省でも大情報流出を起こしてしまったように、ちょっと問題も多いソフトじゃないかな。しかも、正しくという言い方は変ですけれども、正しく使われたとしても、音楽の無料交換に使われている。
法務大臣のこのウィニーというソフトに対する評価をちょっと伺いたいんですけれども、今後、どうですか、こういうソフト、今は、現行法の範囲内ではちょっと罰することは難しいということでございますけれども、法務大臣としては、このウィニーというソフトに対して今どのようにお考えか、その感想だけまず伺いたいと思います。
○杉浦国務大臣 私は古い人間なものですから、コンピューターはよくわからないんですよ。この間、情報が流出しましたが、自宅へ持ち帰ってウィニーにつないでおいたら全部出ちゃったというんですね。そんなことが可能なのか。技術は日進月歩ですから、今、流出問題については調査を徹底的に進めておりますけれども、正直言って、私はよくわかりません。
ただ、犯罪が成立するかどうかは、一般論ですが、当然のことながら個別の事案ごとに、こういう証拠があって、では、著作権法違反ならば罰せられるよということになるわけなんですが、先生のお考えでは、ウィニーそのものを禁止するといいますか、つくることを禁止すべきだというお考えもおありかと思うんですが、立法論としてあり得るかもしれませんね。これはいろいろと御検討願って、今警察の話を聞いていても、法律がないから取り締まれないんだということを言っていましたから、検討すべき課題かもしれませんね。
正直言って、私にはそういう能力がございませんので、何とも申し上げられないのが実情でございます。今、現時点では、何度説明を聞いてもまだよくわからない状況でございます。
○高山委員 それでは、もう一問だけ。
技術的なことは杉浦大臣はいまいちだということですけれども、今聞いて、警察あるいは法務省の方でも、事案によると犯罪になるものもある、ちょっとどう評価していいかわからない、ただ、完全に、すごくいいソフトですねと手放しで言うわけにもいかないなというような雰囲気だったと思うんですけれども、こういったソフトを行刑施設の職員ですとかあるいは警察署の職員の方までが自分のパソコンにインストールしていた、この行為に関しては、大臣、どう考えますか。ちょっと軽率だったんじゃないかと考えるでしょうか。
○杉浦国務大臣 軽率きわまるものだと思います。今調査をしておりまして、処分も厳正に行うつもりでおります。今はもう一切持ち出しを禁止しまして、そういうことのないようにいたしましたが、ソフトとして便利かもしれないけれども、ちょっと首をかしげたくなるようなソフトであるという印象は持っております。
あまりにも正直な発言をする大臣。