Internet Week 2003内で開催される今年のIP meetingでは、「インターネットにおけるIDとトレーサビリティ」というパネルディスカッションが予定されている。内容は、
インターネット上のIDとプライバシーについて、今旬のRFIDを軸としてENUM、IPアドレスなどのプライバシ/セキュリティ問題をトレーサビリティという視点で幅広い議論を展開します。
というもの。盛り上がるかなー? 参加申し込みの締切は11月20日だ。
全体で1時間半しかないので、それぞれの論点を深く議論することは難しそう。「ああだとするとこうで、こうだとするとああで、あれとは違うし、これとも違うし、それとも同じじゃない。どこどこが新しくて、これこれが解決法だが、それは無理な話で、あの人たちはあんなことをしたがっているし、この人たちはそれがしたいし、その人はこんなことを言っているし……」などと全部の論点を説明しはじめるととても時間内に終わりそうにない。RFIDの話題を中心にというよりも、IPアドレスの固定化の話題について、個別の論点よりも、インターネットにおける追跡性をどう確保するか/しないべきかということについて、会場の声をたくさん聞き出して、どんな共通認識があるのか明らかにするのが、IP meetingらしいのではないかなあと私的には思ったりする。
Internet Week 2003はBoF用に9つの枠を用意していたのが5つしか申し込みがなかったようだ。もう締め切られているけど、「IDプライバシーBoF」とかやったら面白いんじゃないかなあ。しかしBoFは、基本的に少なくともメーリングリスト程度の組織化されている主体がないとなりたたない。そういう母体となるグループはないよなあ。
先日、情報ネットワーク法学会の研究大会に参加してきた。「ユビキタス環境とプライバシー問題」という興味深いパネル討論があったのだが、電源のブレーカーが落ちたり他にも事故があって中断が入って、時間がなくなってしまって議論は深まらず残念だったのだが、懇親会に参加して、法律家の方々の間にもRFIDのプライバシー問題はかなり関心が高まっていることが感じ取られた。ただ、「よくわからないけれども関心がある」という状況もあるようだった。一方、技術者はといえば、暗号研究者を中心としたセキュリティ屋も強い関心を持っているという様子がある。
こうした、分野をこえた人の集まりで、じっくりと議論を深める場を設けることはできないだろうか。パネル討論では深い議論は難しい。反対集会みたいなのは開く方法はいろいろあるだろうが、そういうのではなくて、議論を深める場は実現できないものか。電波を扱う技術者からの距離に関する正しい情報も欲しいし、マーケティングに携わる人たちの何をしたいのかの声も欲しい。……無理っぽいなあ。
一昨日「見逃した!!」と書いた映像は録画が公開された。すばらしい。
「血を見るか?!」と噂されていた、CASPIAN 対 Auto ID(?) のパネルはどうだったのか。CASPIANがクレイジーでヒステリックな連中と想像している人は日本で少なくないようだが、はたしてどうなのか。Katherine Albrecht女史の講演はここだ。
じっくり観る時間がない(T_T)。土曜まではむり。