昨日、こちらの方のブログで、調布飛行場の立入禁止区域に進入しているという事例を見かけ、証拠保全のため画像を確保してから仕事に出かけたところ、帰ってくるともう「この画像はなくなりました」となっていた。
この種のケースは、警告を無視して進入した行為自体が問題であり、「消せば済む」という問題ではない*1。グーグル株式会社は9月の記者会見で、「ドライバーには運転前にグーグルのトレーニングを受けてもらっている」と説明していたが、どんなトレーニングをしているのかとの問いに対しては「非公開なので」と回答を拒否しているそうだ。
これだけ誰の目にも明白な立入禁止場所へ堂々と侵入し、女子高にも侵入して憚らず、集合住宅の駐車場荒らしはそこら中で散見され、交通法規も無視しまくり、そして個々の住宅の私有地にもさんざん入り込んでいるわけで、しかもそれをノーチェックでリリースしているというのだから、どんな惨い写真がたまたま映ったとしても公衆送信されてしまうに違いない。
こうした傍若無人で無慈悲な振る舞いこそが、人々の社会生活に「いつ自分がどんな被害にみまわれるかわからない」という不安を新たに生じさせているわけなのだから、「言われた写真を消して終わり」という話ではない。
P.S.
28日のNHKニュース9でストリートビューが扱われたらしい。見逃してしまった。残念。
*1 ちなみに、女子高に侵入した事例では、誤って入ってしまったにせよ、それを認識しながら引き返そうともせず撮影行為をそのまま継続した行為が問題である。
なかなか精力的に、「号外」なんてセンセーショナルなタイトルをつけて「証拠保全」なんて本文に書いちゃって、Google Street Viewの撮影者/車の違法性を指摘したりしていますが、まあこれがセキュリティ関連の記事を寄稿する産総研の主任研究員クオリティなんでしょうな。..