10月10日の日記に書いた讀賣テレビ「ウェークアップ!」の9日放送内容がテキストで公式サイトに掲載されていた。
ところで、和歌山県田辺市の小学校の実験はどうなったのだろうか。番組でも出てこなかったし、その後何も情報が聞こえてこない。6月17日の京都新聞では、「10月から和歌山県田辺市の公立小で実験を始める」とされていたが、もう始まっているのだろうか。父兄への説明会とかは開催されたのだろうか。どの小学校なのだろう?
10月5日の日経産業新聞にも関連記事が出ていたが、田辺市の件は書かれていなかった。
3日に2件――。警察庁がまとめた大学生以下の少年少女が巻き込まれる誘拐事件の件数だ。子どもを誘拐の危険から守ったり迷子になるのを避けるため、物流や流通業で普及しているICタグを活用した安全確保の試みが教育現場で始まった。(略)子どものプライバシー確保の問題が残るが、総務省は「今後ICタグの用途を広げるためにも、プライバシー問題をとことん議論してほしい」としている。 (略) 立教学院立教小学校(東京・豊島、田中司校長)も富士通と組み、9月からICタグで児童の登下校情報を管理するシステムの運用を始めた。微弱な電波を発する電池入りのICタグを児童に持たせる。(略)校門をくぐると自動的に反応するので「1年生など幼少の児童がいても導入しやすい」(同校情報処理室長の佐藤稔氏)。(略)運用に問題がなければ、来年1月には全校児童720人に配布する考え。運用費はICタグの価格込みで月額100円を想定し、保護者から徴収する。 (略) ただ子どもといえども一定のプライバシーを確保する必要はある。文部科学省は「学校と保護者との了解を取れば大丈夫では」(スポーツ青少年局学校健康教育課)としている。総務省は「人の所在地確認ではまず教育現場で実用化が進んできた」(情報通信政策局研究推進室)と指摘し、「個人情報や書籍の追跡などし好に関する分野での普及には、プライバシー保護の問題を実験などで十分に検討するべきだ」(同)と話す。
文部科学省スポーツ青少年局学校健康教育課……よりによっていかにも血のめぐりの悪そうな。
総務省は比較的意識が高いようだ。こんな報道もあった。
政府の側からは、総務省の大臣官房審議官を務める松井英生氏、経済産業省の商務情報政策局審議官を務める桜井俊氏の2人が、現在のRFIDに対する政府の取り組みの状況を語った。 (略) 一方で問題点として挙がったのがやはりプライバシー問題。松井氏は「電子タグは『究極のSCM』を実現するのに欠かせない技術だが、一方で使い方を誤ると『人間のSCM』にもなってしまう」と語ったほか、「日本では便利になるというと消費者が比較的飛びつきやすい傾向があるが、欧米では便利になるというだけでは消費者は飛びつきにくい」「米国ではテロ対策や入退室管理などへの関心が高く、地域によって価値観が違ってくる」と述べ、世界への普及を考えたときにもっとプライバシーなどへの配慮を高めるほか、地域特性に合わせたソリューションを提供しないと、日本企業の持つ技術が国内でしか活用されなくなってしまうという危機感を示していた。
まったくその通り。日本以外の文明国で、子供にアクティブタグ取り付けて「うっとり安心感」なんてのはあり得ない話だろう。
5月25日の日記「「ワン切りメール」ですって?」で、良いネーミングがないとしていた件は、10月8日に警視庁から出た注意喚起では、「ワンクリック料金請求にご用心」という表現になっていた。
関連報道
ショッキングなニュースというのは冷静な判断をできなくすることが往々にしてあるが、今までの慣習を変えるのには絶大な効果もある。 ...