米国籍パスポート(所有者)が接近すると爆発する爆弾(略)
とあるように、無線で近くの人のIDが読めてしまうことの危険性は、米国ではテロの現実性もあって、かねてより話題になっている。
ところで、一昨年、はじめてWindows Mobile機を買った際に気になったものの、小ネタだったので放置していた件があるのだが、やっぱり書いておく。
Windows Mobile搭載機器(スマートフォンなど)を買ったとき、最初にやることといえば、いろいろな設定を試してみることだろう。最初に目につくのは「オーナー情報」(図1)の設定。ここに名前と連絡先を書いておくと、電源を入れたときに表示されるようにできる。
万が一どこかに置き忘れてしまったときに連絡を頂けるのを期待して、名前と連絡先、メッセージを書き込んだ。こうしておくと、電源を入れたときに図2の写真(右)ようになる。
実際、私も最初はそうしていた。ところが、何日かして、Bluetoothを使おうとしたときのこと、PC側で、図3の画面(右)が表示された。
「どこで氏名なんか設定したっけ?」とあちこち探してみたところ、なんと、「オーナー情報」の「名前」欄に設定した文字列が、Bluetoothの表示名として検出されてしまうのだった。
このまま電車に乗って「『高木浩光』が来ましたよー」と周囲に知らせてしまうところだった。危ない危ない。
ところが、Windows Mobileのあちこちの設定項目を探しても、Bluetoothの表示名だけ変更する方法が存在しないようだった。しかたがないので、「オーナー情報」の「名前」欄に機種名を記入して、名前は住所のところに書くようにした(図4)。
まあ、これで解決だけれども、「マイ インフォ」のところの冒頭に機種名が出てしまうのがマヌケだ。Microsoftとしては、どうしろというつもりなのだろうか。
PC用のWindowsの場合にどうだったかというと、よく知らないのだが、Windows XPのころからだっただろうか、「YOUR-XXXXXXXX」というランダムな名前がデフォルトとなっていて、あまり問題を感じた記憶がない。
もっとも、コンピュータ名を設定しておくとネットワークに表示名として放送されるというのは、昔からある話で、たとえば、1990年代からMac OSでは、AppleTalkに「○○のコンピュータ」という名前を流していたのだから、Macユーザにとっては自然なことかもしれない。
しかし、図1のように、住所や電話番号という、非公開を予感させる項目と並ぶ形で、入力するようになっている「名前」欄が、まさか公開状態になるとは、ちょっと予想できなかった。
ちなみに、Mac OS Xでは、「システム環境設定」の「共有」設定の「コンピュータ名」に設定した文字列が、ネットワークに放送されるようになっているので、そういう誤解は生じないと思われる。
ただ、デフォルトでここに所有者の氏名が入るようになっている。これが、ファイル共有を使うときや、LANに接続したときだけに放送されるのなら、まだよいのだが、この名前は、Bluetoothで「検出可能にする」設定にしているときにも通知されてしまう。
そのことはちゃんと理解されているだろうか。イベント会場など、Macユーザのいそうな場所でBluetooth機器を使おうとしたときに、「○○○○の MacBook」といった名前が出てくることがよくある(図6)。わかっていてそうしているのならよいのだが。
高木浩光@自宅の日記 - Windows Mobileの「オーナー情報」設定に注意 色んな意味で怖い。 今はこうした。 誰か見つけて!