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高木浩光@自宅の日記

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2009年03月07日

首都高速都心環状線でBluetooth追跡できるか + 続・山手線

渋滞気味の首都高速

前回の日記に引き続き、今回は首都高速都心環状線を3周してきた。できるだけ車が多い方がよいので、渋滞していそうな夕方に行ってきた。今回は内回り。1周はほぼ25分だった。大半の場所で時速30キロほどの軽い渋滞状態で、江戸橋JCTから竹橋JCTまでは止まりつつ進む渋滞状態だった。左側の車線を走行している。

結果は図1のとおり。

画面キャプチャ
図1: 首都高速都心環状線でのBluetooth探査の結果

予想以上に見つかる数が少なかった。10メートル以内というBluetoothの通信可能距離では、前の前の車くらいの距離でもう通信できないようだ。隣りの車線に該当する車が来てもすぐに離れてしまう*1

電車や駅という環境のほうが特殊なようだ。

ラッシュアワーの山手線

前回の日記の実験も、山手線にしては人が少ないタイミングだった。日曜の夜だったので、渋谷から新宿あたりは混雑していたものの、東京駅周辺では空席が出るほど空いていた。

そこで、本来の山手線でいかほどの事態となるのかを確かめるべく、金曜日の朝に3周してみた。

池袋7:01着、池袋10:11着予定の列車に乗り、同じ車両(6両目)のほぼ同じ席(ひとつ左の席)に座った。3時間10分で1190個のIDが観測された。

2周目の混雑で徐々に運行に遅れが生じ、2周目の新宿で、2分遅れで着、「運転間隔調整」とのアナウンスで2分30秒の停車。3周目の巣鴨でも「運転間隔調整」。3周目の日暮里で、3分遅れで着、「運転間隔調整」で2分停車。3周目の大崎で4分遅れ、その後回復して、1分遅れで最後の池袋に着いた。日暮里から浜松町あたりまでが特に混雑するようで、8時台の周回では、田端で混雑、日暮里で大混雑、上野から神田までで超激混雑(人が押し合って停車時に倒れそうになる状況)、東京から浜松町までが激混雑、浜松町からは普通の混雑という感じだった。

画面キャプチャ
図2: 平日朝における山手線の乗降パターン

今回はJavaアプレットを改良して、駅の位置を秒単位で合わせるようにした。駅の着時刻(ドアがが開いた時刻)と発時刻(ドアが閉まった時刻)を秒単位(5秒の精度)でメモした記録に基づく。駅の印の長さ(半円中心間の長さ)が停車時間を表す*2。単発IDが沢山観測される「山」が、駅の前後に2つずつ現れることがわかる。これは、ホームにいる人々のIDが、ホームに入っていくときとホームから出て行くときに集中して観測されるためと思われる。

また、とびとびに観測された同じIDを点線でつないで表示するようにしたので、乗降パターンを読み取りやすくなった。前回のデータも新しいアプレットで以下に再掲する。(駅の時刻は分単位でおおよそ。)

前回のように、約30分間隔で単発が2度現れる事例があるか調べてみたところ、1つあった。

00175CXXXXXX 2009-03-06.08:09:25 34:09 | 192,289

時刻を調べると、巣鴨を出て駒込に着く前と、品川を出て大崎に着く前で、どちらも駅から離れた位置だ。やはり、対向列車の中の人をすれ違いざまに捉えたもののようだ。駒込から品川に向かった人なんだろうか。あるいは、日暮里あたりから新橋あたりに行く人が、外回り列車の混雑を嫌って、遠回りして内回りを使ったのだろうか。

さて、この2回の観測(3月1日日曜日の夜と、3月6日金曜日の朝)で、両方に居合わせたBluetooth端末はあるだろうか。データを突き合わせてみたところ、駅の設備らしきもの(約1時間毎に現れる)を除き、また、両方で単発で現れたものも除いて、それでも4つも見つかった。

001C43XXXXXX 2009-03-01.20:31:30  0:00 | 395
001C43XXXXXX 2009-03-06.07:06:04  3:52 | 12,13,14,15,16,17,19,20,22,23

1日の夜に鴬谷付近で一瞬現れた人が、6日の朝に巣鴨から田端に移動している。

00175CXXXXXX 2009-03-01.21:44:48  0:00 | 603
00175CXXXXXX 2009-03-06.08:12:36 20:02 | 201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,211,212,213,214,215,216,217,218,219,220,221,222,223,224,225,226,227,228,229,230,231,232,233,234,235,236,237,238,239,240,241,242,243,244,245,246,247,248,249,250,251,252,253,254,255,256,257,258

1日の夜に新橋付近で一瞬現れた人が、6日の朝に田端から新橋に移動している。

001CEEXXXXXX 2009-03-01.19:18:07 10:35 | 187,188,189,190,191,192,193,194,195,196,197,198,199,200,201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,211,212,213,214,215,216,217
001CEEXXXXXX 2009-03-06.09:13:30  0:00 | 374

1日の夜に巣鴨から上野に移動していた人が、6日の朝に巣鴨でドアが開く10秒前*3に一瞬現れた。

00175CXXXXXX 2009-03-01.19:36:49  0:00 | 240
00175CXXXXXX 2009-03-06.09:31:27 10:34 | 425,426,431,437,448,449,450,451,452,453,

1日の夜に東京駅付近で一瞬現れた人が、6日の朝に秋葉原から浜松町に移動している。

これはちょっと信じ難い。状況からして一般の人のように思えるが、こんなにも小さくない確率で同じ人に居合わせるものなのだろうか。

*1 図1で、最も長く継続して観測された事例は、隣りの車線に並んだ車だったようで、渋滞でほぼ止まっていたから継続したもの。

*2 ただし、1周目の秋葉原まではメモしていなかったため、時刻表の着時刻(分単位)を用いており、駅間隔がいびつになっている。

*3 正確には、その直前の21秒間に観測されているので、ドアが開く31秒前から10秒前までの位置に居たことになる。


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