前回の続き。
タレコミを頂いた。豪快に敷地内に進入して撮影した事例が他にもあるという。
これは「誤って入った」というものではなかろう。撮影されている通路は一筆書きのできない経路であり、積極的な意思を持って全部の道を辿ったようにしか見えない。
このようなゲートがあるところに入って撮影するという神経がよくわからない。撮影作業員はいったいどんな指示を受けていたのだろうか。迷路に入り込んだマイクロマウスのように、ひたすら路側づたいに走れとでも言われたのだろうか。
ただし、病院と特別養護老人ホームの承諾を得て撮影した可能性がないとは限らず、病院への確認はしていない。
上の事例の周辺地域をぼんやりと見ていたら、他にも墓地に進入している事例を見つけた。
立て札に何と書かれているかは残念ながら読み取れず、確認はまだしていない。
30日追記:高槻市公園墓地管理事務所に電話で聞いた。ここの道路は「敷地内道路」であり、たとえば自動車が事故を起こしても駐車場内と同様に警察は対応しにくい、そういう道路だという説明。入構を許可したか否かは本庁でないとわからないので月曜に市役所に聞いてくれとのこと。ちなみに、この管理人さんは、グーグルストリートビューというもので墓の写真が出ていることは既に本庁から聞かされているとのことだった。ほほう。
住宅の私有地に入っている事例もたくさん見つかるが、普通はゲートがない。集合住宅の駐車場用の通路に入った事例も数多く見つかる。ここでは、あまりに人で無しな事例を一つ挙げておく。
この先の踏切が車両通行止めのため、撮影作業員は、左側の土地に車を進入させて転回して戻ったのだと推定される*1。
たしかに私たちは、ドライブ中にこうした行き止まりにたどり着いてしまった場合、やむを得ず個人宅の敷地内に入らせていただいて、車を転回させていただくことはしばしばある。入ったときそこに住人の方がいらっしゃったなら「すみません、道を間違えまして。ちょっと失礼します」くらいの声をかけて急いで転回するだろう。そこで写真をとったりすることはない。
ところがこの、グーグルの撮影作業員は、その転回に入った他人様の敷地で無断撮影したうえ、その静止画写真に洗濯物等が大きく写っているにもかかわらず、それをWebで公衆送信可能化しているのである。まるで、ドアを開けて先に通してくれる人に屁を放って行くような所業だ。
撮影作業員に常識があるなら、このような場所では撮影装置のスイッチを切ってしかるべきであるし、誤って撮影してしまったにしても、その場で削除するか後で削除できるようキャンセル用マークを付けるなどするのが当然だろう。そして、グーグル株式会社の河合敬一プロダクトマネージャーは、事前にこれをチェックすることなく公衆送信用サーバに放り込み、写真を送信可能化している。
ITmediaの記事によると、河合敬一プロダクトマネージャーは、最初に故郷の母校周辺を検索して懐かしい思いがこみ上げ「涙が出そうになった」と記者発表会で話したそうだ。その前に見るところがあるんじゃないのか。
*1 地図では左の住宅の手前にある狭い道に少し入ったように青い線が描かれているが、これは処理の誤りで、道のない所に入って撮影したためにずれた位置の道がマークされている。