JPRSから以下のプレスリリースが出ていた。
内容を見て仰天。都道府県ドメインに第3レベルでの登録を認める「都道府県型JPドメイン名」を新設するという。そこで以下の公開質問状を送った。
株式会社日本レジストリサービス御中
都道府県型JPドメイン名新設に係る公開質問
東京都〓〓区〓〓〓〓〓 高木 浩光
2011年9月27日貴社2011年9月26日報道発表の「JPRSが、地域に根ざした新たなドメイン名空間「都道府県型JPドメイン名」の新設を決定」について、Webのセキュリティ及び可用性の観点から、公共の利益に影響を及ぼす懸念があると思料するため、貴社に対し、以下の通り、公開を前提とした質問をするので、15営業日以内を目安とした期限でご回答頂きたい。
質問1. 当該ドメイン空間新設によるWebセキュリティへの影響についての検討状況
「都道府県型JPドメイン名」の新設によって、Webセキュリティにどのような影響を及ぼすか又は及ぼさないかについて、貴社及び貴社が本件について諮問したJPドメイン名諮問委員会並びにその作業部会である地域型JPドメイン名再構築検討部会のそれぞれが、如何なる検討を行ったか又は行わなかったか、以下の各事項にご回答頂きたい。
(a) 地域型JPドメイン名再構築検討部会における、都道府県型JPドメイン名新設に伴うWebセキュリティへの影響についての検討の有無、および検討内容
(b) JPドメイン名諮問委員会における、都道府県型JPドメイン名新設に伴うWebセキュリティへの影響についての検討の有無、および検討内容
(c) 株式会社日本レジストリサービスにおける、 都道府県型JPドメイン名新設に伴うWebセキュリティへの影響についての検討の有無、および検討内容
質問2. Public Suffix Listをどのように更新すればよいか
旧来よりドメイン名はWebセキュリティの根幹を支える重要な役割を担ってきたところであるが、今日では「Public Suffix」(別名「effective top level domain (eTLD)」) のリスト(以下、Public Suffix Listという)が作成され、複数のWebブラウザ(Mozilla Firefox、Google Chrome、Opera)等において、Public Suffix Listに基づいたセキュリティ上の各種制御(cookie発行時の有効ドメイン範囲の限定、Webブラウザのアドレスバーに表示するURLでのeTLDの強調表示等)が行われているところである。
都道府県型JPドメイン名の新設に伴い、Public Suffix Listの更新が必要となると考えられる(もし更新しないならば、都道府県型JPドメイン名を用いたWebサイト、例えば http://example.tokyo.jp/ 等において、cookieを利用できない等の障害が生ずると予想される)が、Public Suffix Listをどのように修正すれば新設される都道府県型JPドメイン名に対応できるのか、株式会社日本レジストリサービスとしての見解をお示し頂きたい。
質問3. Public Suffix List更新の実現に向けた貴社の今後の対応予定
都道府県型JPドメイン名に対応したPublic Suffix List更新の実現について、株式会社日本レジストリサービスが今後どのように取り組むのか又は取り組まないのかについて、ご回答頂きたい。
以上
何もしなければ、「都道府県型JPドメイン名」の登録が始まっても、cookieを利用できないなどの欠陥ドメイン名となることが予想される。