ストリートビューを見ていると、UR都市機構の団地で敷地内通路に進入している事例が目につく。そこで、11月22日現在で以下に掲載されていた、東京の23区外エリアのUR都市機構の賃貸住宅の団地を対象に、何パーセントが進入されているかを調べてみた。
赤で示したところは私有地進入が確認された団地で、緑で示したところは進入が確認されなかった団地、青は団地でないなど対象外としたところを示す。
「(赤 + 緑)/ 赤」で求めた団地進入率は以下の通りだった。
対象数 | 進入事例数 | 進入率 | |
---|---|---|---|
多摩北地区 | 46 | 14 | 30% |
多摩南地区 | 44 | 24 | 55% |
合わせて | 90 | 38 | 42% |
8月にグーグル株式会社が「私道や敷地内に入っての撮影はしていない」と述べていたのは丸っきり大嘘なわけだが、未だどこのメディアもこのことに対するグーグル株式会社の見解を引き出せていない。
グーグルで地図製品担当のプロダクトマネージャーを務める河合敬一氏は(略)「撮影する道路は公道からに限っており、私道や敷地内に入っての撮影はしていない」と説明。
「ストリートビュー」のプライバシー問題、グーグルが方針説明, INTERNET Watch, 2008年8月5日
ブログ「気になる現場」が引き続きグーグルの交通規制無視事例を列挙している。ロケーションビューも車両通行止めや歩行者専用の標識を無視しまくっているのだそうだ。
ロケーションビューも結局は同じ穴の狢ということか。
10月28日にASCII.jpに「ロケーションビューの車に乗ってきた」という記事が出ていた。
日本の事情をあまり考慮していないあの会社と比べると……(略)
ちなみにカメラの外観は撮影NGだったが、位置的には一般的な人の目よりも少しだけ高いくらい? もちろんこれはプライバシーなどに配慮した結果とのこと。(略)
よく考えれば当たり前の話だとはいえ、走行速度は常に一定ではなく(もちろん法定速度内!)、普通に赤信号にも止まります(そりゃそうだ!)。
ロケーションビューの車に乗ってきた, ASCII.jp, 2008年10月28日
などと調子のいいことが書かれているが、「車両通行止め」「歩行者専用」無視の実態はどうなのか。
この記事にロケーションビューの撮影車両の写真が掲載されているのだが、車両に貼られたステッカーには「道路調査車」「道路調査中」と書かれている。
「道路調査中」とあるのを見て、まさか自分が撮影されているとは誰も思わないだろう。どうしてこういう嘘をつくのか。やっているのは住宅等の撮影だ。「住宅街撮影中」とは書けない何か理由があるのか?
高木氏の最新ページで、ロケーションビューの車の「嘘」が指摘されている。これはこれで面白いが、肝心なのは、ロケーションビューの嘘よりも、ASCII.jp お追従だ。マスコミというものは、こういうふうに、世間をだまそうとする。注意が必要だ。それが本項の趣旨。