Googleマップの「マイマップ」機能で、秘密にしなければならない情報を利用者が誤って登録していた事故が立て続けに発覚しており、各地でマップ作成者の割り出しと作成者による削除の作業が行われているところと思われるが、Googleのシステムには不具合(バグ、欠陥)があり、削除不能に陥ってしまう場合が少なくない頻度で発生していることがわかった。削除作業を行う場合には注意が必要である。
Googleマップは図1の構成になっている。図1は、「test_test」という文字列を含む地図を検索したときの様子で、検索結果の「A」をクリックしたときに、地図中の対応する位置に、当該登録地点の情報が「吹き出し」として表示されている様子を示している。登録地点にはテキストを書き込むことができるようになっており、ここでは「秘密の情報」と書かれている場合を示している。ここで「test_test」は、作成者が付けたマップの名前である。
ここで、左側の検索結果リストから緑色で表示された「test_test」の部分をクリックすると、図2の画面となる。図2は、この「test_test」という名前のマップに登録された地点の一覧である。「目印1」をクリックしたときに、その地点の内容が地図上で「吹き出し」で表示されている様子を示している。
ここで、このマップの作成者が、ログイン中のマップ管理画面で「test_test」の削除を実行したとする。本来ならば、図2に一覧表示されている「目印1」〜「目印31」の地点の全部が削除されるはずである。つまり、図3のように、この領域で「test_test」で検索しても「このエリアでtest_testに一致する情報は見つかりませんでした」となるはずである。
ところが、マップごと削除したはずなのに一部の登録地点が残存し、残骸となってしまう現象が、少なくない頻度で発生しているようだ。
ここで、「test_test」の部分をクリックしてマップを表示しようとしても、そのマップ自体は消えているため、存在しないマップとして図5の表示となる。
登録地点はマップからしか編集できないのにマップ自体は消去済みとなっているため、この登録地点は宙ぶらりんとなっており、削除したり書き換えたりすることができない。こうなると、「秘密の情報」の部分などを消すことができなくなってしまう。
このような事態の発生に備えて、マップを削除する前に、そのマップに登録した地点の情報を編集して「秘密の情報」などの部分を書き換え、意味のない文字列に変更しておくことが対策となるかもしれない。(必ずその変更が反映されるかどうかは確認できていない。)
つまり、図6のように、ログインしてマップに登録の各地点の内容を編集し、テキスト部分を削除したり意味のない文字列に変更し、また、地点のタイトル自体が秘密にすべき情報である場合には、ここも書き換えて意味のない文字列に変更する。さらに、マップの名前自体に問題がある場合には、マップの名前も意味のない文字列に変更しておく。
すべての地点を変更したら、変更が反映されているか確認するために、別のブラウザでこのマップを表示してみるとよいだろう。
変更の反映が確認できたら、念のためそれぞれの地点をひとつひとつ削除(図6の編集画面の吹き出し部分の左下の「削除」のリンクをクリック)した上で、最後にマップ全体を削除する。
もしマップの削除で残骸が生じたとしても、このようにしておくことで、単に場所が指されているだけで、その意味はわからない状態とすることができ、被害を小さくできると考えられる。
この残骸が生ずる現象のことを指していると思われる記述が、6日の朝日新聞朝刊に記載されていた。
同社によると、ほかにも、利用者が情報を削除した場合も、ネットの検索結果から消えるまで時間がかかり、公開状態になることがあるという。不適切な情報が公開されていた場合、利用者に削除申請などを勧めている。
グーグル株式会社は、「消えるまで時間がかかり」などとさも当然の現象であるかのように言っているが、口から出任せだ。Webの検索とは話が違う。
たしかに、Webの検索においては、元のWebサイトで内容を書き換えても、Googleの検索結果に反映されるまでには時間がかかるのが普通である。なぜそうなるかと言えば、世界中のWebサイトを徘徊しているGooglebot(Webクローラ)が当該Webページに再来するまで変更内容は反映されないのであり、それは技術的にやむを得ないこととして了解されている。
それに対し、Googleマップのマイマップは、Googleのサーバで管理しているデータなのだから、即座に消去可能であって、そうするのが当然である。仮に何らかの技術的理由(効率化のためなど)で、検索への反映が遅れる実装であるなら、マップ全体が一括して削除が遅れるはずではないか。また、作成時には作業内容が一瞬で反映されるのに、削除の処理だけ遅れるというのも解せない。
実際、現時点で残存している残骸の事例を見てみると、マップ自体はもう30時間以上前に削除されたものであり、技術的都合で遅れているというレベルではない。グーグル株式会社の「消えるまで時間がかかり」という説明は出鱈目であり、この現象はシステムの不具合、バグ、欠陥によって生じているものであろう。
また、朝日新聞の記事で、グーグル株式会社は「削除申請などを勧めている」とされているが、私が、5日の18:30に削除申請した個人情報の含まれた残骸地点は、29時間以上が経過した現在も、ひとつも消えていない。これだけ問題が大きくなっているこの時に、なぜこの程度の作業が迅速にできないのか。
削除要請フォームはあてにならないようなので、電話で要求するしかないと思われる。
グーグル株式会社
TEL: 03-6415-5200
FAX: 03-6415-5201
5日の18:30に削除申請した個人情報の含まれた残骸地点は、51時間が経過した現在も消えていない。
上では残骸が生じていると書いたが、一旦全部の地点が消えた(検索でヒットしない)のが確認された後に再び検索にヒットする状態になったというケースが多数発生しているようだ。
私は、4日から6日にかけて(時間の許す限り自宅から個人的に)、秘密にするべき情報が公開状態となっているマップについて、作成者の勤務先と思われるところに電話で連絡して、事実を伝える作業を行っていた。6日の夜には、あるキーワードのものについて、連絡した事案はほぼ消えた状態となっていたのを確認していた。ところが、7日の朝に再び検索してみると、何か所もの地域で、一部が残骸として残っていたり、全部が残っているものがヒットするようになり、これは残骸ではなく、消えたものが復活しているのだと認識した。
復活しているといっても、マップ自体は消えているため、復活した登録地点は宙ぶらりんであり、作成者による削除操作は不可能になっている。
復活してしまっている地域の何か所かについて、再び電話連絡をして事実を伝える作業を始めたところ、「昨日は完全に消えていたのに」という現場の証言も得られた。また、前日までに連絡していたところからこちらに電話があり、「復活しているようなんです。どうしたらいいのでしょうか」と問い合わせを頂いた事例も複数ある。
いったいGoogleはどうなっているのか。もう私の手には負えない。どうしようもない。最悪だ。
高木浩光氏もよく理解できていないようだ。 「秘密にしなければならない情報を利用者が誤って登録していた事故が立て続けに発覚しており」と彼は記述しているが、この件は「誤りによる事故」とは言えない。
最もネットリテラシーが高そうな高木浩光 氏でさえ、どうでもいいようなバグの話ばかりをして、肝心の犯罪行為については知らんぷりだ。
7日の午後8時現在、いまだに大量の個人情報が漏洩していることを確認済み。高木氏がいくらやっても、効果は焼け石に水にすぎないのだ。
昨日帰ってきてからアクセス解析見てたらいつもの倍近くのお客さんが来ててびっくりし
勘違いしてはいけない(Google のサービスによる、情報「漏洩」)
お昼休みを利用して、ちょこっと更新。 とうとう出ました。Google関連の情報漏