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高木浩光@自宅の日記

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2003年08月25日

住民基本台帳カードをゲット

住基ネットにはこれといって思い入れのない私なのだが、今日は早起きしたし、せっかくの初日なのだしと、がらにもなく市役所に出向いて住基カードをゲットしてきた。行ってみると支庁舎で2番乗りだった。係員が慣れない様子で発行までずいぶん時間がかかったが、その間、次の申請者は現れなかった。カードは非接触型ではなかった。がっかり。

何に使えるのかと係員に尋ねると、親切に教えてくれた。他の市町村の役所から住民票を取得できるのだという。だが、カードを機械に入れると発行してくれるわけではなく、申請書は手で書く必要がある。住基カードは本人確認のために使われるそうだ。しかも、そのとき、住基カードでなく、運転免許証でもかまわないのだとか。なんだよ、住基カードの出る幕ないじゃん。ようするに、住基カードは免許証を持たない人々のための公的身分証ということらしい。(つくば市の場合。)(今のところ。)

来年の秋には公的個人認証が始まって、自宅からインターネット経由で婚姻届とかが出せるようになるのだとか。楽しみだ。つくば市では、それまでは使い道がないようだ。気長に待つとしよう。

係員さんも初々しく、やたら丁寧に説明してくれるので、役所にしては楽しいひと時だった。窓口の向かい合う席で、係員がオペレータ用ICカードをリーダに挿す。そしてキーボードを打つ。おいおい、パスワードが丸見えだよ。その係員さんの打ったパスワードは、4桁の数字だった。とても覚えやすい番号だった。まあ、そんなもんだろう。たいしたことじゃないんだし。

そしてカードに自分の暗証番号を登録する。もう一台ある手前側のリーダにカードを挿し、フード付きのテンキーを押して4桁の暗証番号を入力。フードの高さは3センチくらい。係員さんからもよく見えたことだろう。お客さんが確認キーを押していなければ、押してくださいとアドバイスができて親切な感じだ。フードは奥側にしかないので、後ろからは丸見えだ。でも大丈夫。誰もいない。

係員さん、操作をミスったのか戸惑っている様子。端末の画面を覗き込んでみると、コマンドプロンプトの黒いウィンドウが。何やら接続中みたいなメッセージが。前にどこかで見たことがある。おお、これが噂の住基ネット端末か。

端末の裏側を見るとごく普通のパソコンだ。裏側を見るといっても、客側なので目の前にそれはある。うむむ、青色のイーサーネットケーブルが普通に挿さっているぞ。抜いたらどうなるかなあ。間に何か挟んだらどうなるかな。鞄の中のノートPCに挿すとどうなるだろうか。カードリーダもUSB接続か。抜いたらどうなるかなあ。間に何か挟んだらどうなるかなあ。キーボードコネクタも手が届きそう。USBソケットにフラッシュメモリとか差し込むとどうなるかなあ。まさか「自動再生」でプログラムが動き出したりしないよね。まあ、そんなことしても何ができるやら。やる価値があるのかどうか。

しかし、考えてみると、こういう風景って他では見かけない。銀行とか、郵便局とか、図書館とか。まあ、お金を盗られるわけじゃないし。公的個人認証が始まったわけでもないし。あ、今のうちに盗まれてたものが1年後に悪用開始されると困るなあ。気をつけよう。

今日も平凡な日記だ。

追記

窓口で客側に向かっている面に開いているUSBの口に、持参したキーホルダー型のUSBメモリを差し込むと、どんな罪に問われるのだろう? 一般に、穴は挿し込まれるために開いているものなわけだが。

追記2

きっと、ケーブルを抜いたりすると、IDS(侵入検知システム)が警告をしてくれるようになっているのだろう。USBに挿したりするとアンチウイルスソフトが遮断してくれるのだろう。

追記3

係員がオペレータ用ICカードを挿入して暗証番号を打つシーンが、夜7時のNHKニュースで放映されていた。以下に、公正な慣行に合致したニュース映像の引用をする。

これはきっと実演を依頼されて、偽の暗証番号をタイプしているところなのだろう。キーボードの見通しは良好。まあ、オペレータの暗証番号くらい、どうってことない。

追記4

http://www1.accsnet.ne.jp/~takagi/security/tsukuba-city-1/

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