今の若い人たちは知らないかもしれないが、21世紀が訪れたばかりの2001年8月、こんなことがあった。
JPNICがメールマガジンの発行を始めたところ、なぜか「郵便番号住所氏名電話番号までも記入させる欄がある」というニュースだったのだが、実際にそれを登録してみて、「登録情報更新」の画面へ行ってみたところ、以下のようになっていて、腰が抜けそうになったのだった。
今ではあり得ない光景だが、今日のケータイ業界の「簡単ログイン」がやっていることはようするにこれに近い。入力するIDがメールアドレスの代わりに、契約者固有IDないし端末シリアル番号に置き換わり、あとは、アクセス元がなにやら制限されている場合があるっぽいというだけだ。
今日ではメールアドレスを秘匿する人も増えてきたので、メールアドレスさえ知られなければ、図1のような画面があっても気にしないという人もいるかもしれないが、それに対して、ケータイの契約者固有IDや端末シリアル番号の場合は、どんなサイトに行っても問答無用で取られているIDなのだから、たちが悪い。悪い人たちからすれば、占いやらのケータイサイトで掻き集めた大量のIDを、上のような構造サイトに入力しまくってウハウハということになってしまう。
このことが直感的にわからない部類の人々が日本のインターネットの将来を決定付けているとすれば、これは本当にヤバい。