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高木浩光@自宅の日記

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2008年10月04日

グーグル社曰く「撮影作業員は公道私道を区別するデータを持たずに走行している」

先月、メールでタレコミ(情報提供)があった。匿名ではなかったが、ここでは情報提供者のお名前は伏せておく。

情報提供者によると、集合住宅でグーグルの撮影車が駐車していたため、運転手に「公道私道の区別はついているのか」と問い質したところ、答えずに図1の文書を手渡され、会社に問い合わせるよう言われたのだそうだ。その際、運転手は逃げようとして急発進し、あやうく轢かれそうになったとか。

紙をスキャンした画像
図1: 撮影作業員が質問者に渡したという文書*1(情報提供者より)

作業のご説明

目的・内容

現在、Google では、自社製品のひとつである Google マップの新しい機能追加のために、当該車両にて公道を走りながら、人々が一般の道路で撮影する、または眺めると同様な風景画像を収集する作業を行っております。

機器/画像

車両の運転手は Google 社員、契約した個人のいずれかです。使用する機器と、そこに収録された画像は Google の所有物です。

以上宜しくご理解、ご協力のほどをお願い申し上げます。

尚、この件に関して誤不明な点がある場合は、ご連絡先と問題点を運転手にお伝え頂くか、または以下の Google 連絡窓口にお問い合わせください。

そして、その方は、グーグル社に電話で問い合わせをしたそうだ。

このタレコミを頂いた際、「是非ご自身でブログに掲載してください」とお返事していたのだが、お忙しいとのことで、録音データ(情報提供者がグーグル社に電話した際のやりとりの録音)を頂いた。私が代理でテキスト化して以下に掲載する。

以下の電話は2回目の問い合わせのもので、1回目は8月28日、この電話は9月3日のものとのこと。1回目の電話では、「ドライバーは私道と公道を区別しているのか? そもそもグーグル社は私道と公道の区別ができているのか」と質問したところ、担当者は「区別できているか否かについて自分ではわからないので、法務に確認する」とのことだったという。そこで翌週に、回答をもらうべく再び電話したのだそうだ。

なお、電話に最初に出てくる人、取り次いで出てくる担当者は、いずれも先日私が電話した際の人と同じようだ。声といい、言葉遣いといい、話し方、対応のしかたが同じだ。(もしかして、担当者は2人、せいぜい3人しかいないのではないか?)


プルルルルー、プルルルルー

グーグル: はい、グーグルでございまーあーす。

情報提供者: 先週お尋ねした者ですが、ストリートビューについて、

グ: はい、少々お待ちくださいませー。

♪♪♪♪♪♪♪♪

グ: もしもし、

情: 先週木曜日にお尋ねした者なんですけども、ストリートビューに関して、

グ: あ、はい、お願いいたします。

情: 先週の水曜なんですけども、ちょっと疑問があったもんですから、ドライバーさんに質問したところ、紙を頂いたんですね、「作業のご説明」というのを。それで木曜日に電話させて頂いたんですよ。

グ: あ、はい、

情: で、木曜の電話の内容というのは、公道、私道の区別というのはどうやっているんですかという質問を、そちらの方に、グーグルさんの担当の方にお電話差し上げたんですね。

グ: あ、はい、

情: そしたら、法律、法務の人間に質問すると、今現在担当の方はわからないとのことだったので、答えを保留されたので、今改めて電話をしたという状況なんですけども。

グ: さようでございますか、そのとき電話に出た者の名前はおわかりになりますか。

情: わからないですね。聞いてませんので。

グ: そうですか、えっと、私道と公道の区別について、ご連絡頂きたいということで、

情: 調べるということでしたので、今日改めて電話させて頂いたんですけども。

グ: あー、そうですかー、そうですねー、あのー、えーとですね、あのー、ドライバーの方にも直接うかがえたということなんでしょうか。

情: そうですね。そもそもドライバーさんに質問したときにですね、ドライバーの方、逃げようとして急発進されて、轢かれそうになったんですね、

グ: ああー、そうですか、もうしわけございません。

情: そういうことがあったので、そこは私道だったんですよ、

グ: あ、はい、

情: で、どうやっているんですかと。そもそも私道と公道の区別、あなた方ついてるんですかという質問に対して、ドライバーは答えられないと。で、この紙を渡すからこの番号に、御社に直接訊いてくれということで、木曜日にまず電話したんですが、担当の方自体もわからないと、私道と公道の区別がわからないではなくて、グーグルが私道公道の区別がついているか、一担当者ではわからないというご返答だったんですね。

グ: あ、はいー、そうですね、あのー、こちらの方でもですね、日本全国の全ての公道私道を把握しているわけではございませんので、あのー、まあ、ドライバーの判断で、墓地ですとか、まあそういった明らかに個人のお宅ですとか、マンションの施設内ですとか、そういうところは入らないようにはしているようなんですが、どしてもあのー、走ってる途中でですね、あの、手違いで写ってしまったというようなことはあるような、ことが現実あるようですので、そういった場合はもう、公開してしまった画像についてはですね、随時ご報告いただき次第削除はしているんですが、

情: でー、そのときのやりとり、木曜のやり取りでですね、公道私道はまずグーグルさんは把握できているのか、できてないのかというのを、教えてくれっていう質問だったんですよ。

グ: あ、はい、

情: 把握できているんでしょうか、できてないんでしょうか?

グ: ……。そうですね、あのー、ちょっと私の方ではわかりかねるんですが、

情: 法律関係の人間に答えを聞きますという返答を頂いて、それで電話したんですけども、

グ: あー、そうですか、あの、公道私道というのもとくに法律で定められているものではないかと存じますので、とくにその必要もないかと思うんですけども。

情: 法律で定められてますよ。

グ: あはは、そうなんですか。あは。はい。

情: それで、法務の人間はグーグルストリートビューは1年前からもうやっていると、日本導入にあたって1年前から検討しているという説明はまず頂いたんですけども、

グ: はい、

情: 法務の人間はどういう対応をしているのかっていうのを、そちら内部で調べて私に教えて頂けるという話だったんですけども、

グ: はいー、そうですかー、

情: 公道私道の区別はついてますよ。どういう判断であなたがおっしゃったのかわかんないんですけども、

グ: はい、あのー、たとえばですね、あのー、

情: 公道ってのは国が持ってるもの、私道ってのは民間の人間が持ってるもので、これは道路台帳にきちんと載ってますので、

グ: あー、そうですかー

情: あなた方が調べようと思えば、都道府県の土木課に行けば、土木事務所に行けばですね、確実にわかる情報ですので、

グ: はいー、

情: はい。

グ: もうしわけございませんでしたー

情: これほど騒ぎになってても調べてないんですよね?

グ: そうですね、ちょっと私の方では、わかりかねるんですがー

情: 私道入って撮るのは違法ですよね? あなた方の「作業のご説明」によると「当該車両にて公道を走りながら」と言っているんで、私道で入ったら明らかにあなた方の説明とずれてるんですよね。

グ: はいー、

情: 公道と私道の区別はついてるんですかという質問に対して、あなたのご説明だと、公道私道って明確ではないって、法律で決まってないって説明だったんですけども、

グ: あ、はいー、

情: それはグーグルの判断なんですね?

グ: …………。

情: グーグルの公式な説明と捉えてよろしいんですね? グーグルは公道私道の区別は法律で決まってないと、それがグーグルの公式なステートメントとして受け取ってよろしいんですね?

グ: あ、あのー、そういったことではなくてですね、あのー、やっぱり私有地とわかりづらいところには誤って入ってしまう可能性もあるということでございます。あのー、はい。

情: なんだかわかんないんですけども。誤って入ってしまうのはしかたないと思うんですが、公道私道の区別は、調べればわかるんですよ。

グ: あ、はいー、

情: なので、公開する前に調べればよい話であって、

グ: はいー、

情: それだけの労力は割くべき、割けるはずなんですね。

グ: はいー、

情: ていうのは、情報もあるんですから、公道私道の区別は。つくんですから。

グ: はいー、…………。

情: で、法律的にあなた方はどう考えてらっしゃるのかと。質問したら答えるってご説明だったんですが、どうも今、うやむやにされているんですけども。

グ: あ、さようでございますかー

情: さようでございますじゃなくて、あなたが、うやむやにしているんですけども。

グ: はいー、

情: すいません、お名前をお願いいたします。

グ: 私、○○と申します。

情: ○○様ですね。

グ: はいー、

情: で、もう一度うかがいますけども、グーグルの公式なステートメントとして、公道私道は法律で定まってないと、よって、

グ: はいー、

情: 区別をつける必要はないという判断で撮影を行っているということでよろしいんでしょうか。苦情が来た場合に限り削除していると、つまり公道私道の区別は法律的にはつかないものであるという判断をグーグルさんはなさっていると、いうことでよろしいんですね?

グ: 少々お待ちいただけますか、ちょっと確認させて頂いてもよろしいでしょうかー。

♪♪♪♪♪♪♪♪

グ: おまたせいたしましたー、

情: はい。

グ: そうですね、あのー、とくにですね、やはりこちらの方で、データを持って走行させて頂いているわけではないということですのでー、

情: 木曜日もさっきも言いましたが、都道府県は道路台帳というのを持っていまして、公道私道の区別ついてるんですね。

グ: はいー、

情: で、公道私道の区別、あなた方つかないって何度も説明なさるんですけども、そうすると、そもそもあなた方、「作業のご説明」で「公道を走りながら」って言って、意味がないんですよね。言ってることが明らかに矛盾してまして、

グ: はいー、

情: つまりあなた方、公道私道の区別をつけないといけないと思うんですよ。そもそも「作業のご説明」ってのの公道って書いてるんであれば、公道とは何かってのをあなた方説明できなければいけないんで。

グ: もうしわけございませんー。

情: 私説明してますよね、道路台帳見ればわかりますよと。

グ: はいー、

情: 今後あなた方私道に入ることはあり得ないんですね、つまり道路台帳調べて、公道私道の区別をつけてドライバーを走らせればいいだけであって、今後は私道を走り得ないですよね?

グ: …………。そうですね……、

情: 日本中走り回る労力と道路台帳調べる労力、どちらが大変かっていえば走り回る労力ですので、道路台帳くらい調べればいいですよね?

グ: はいー、

情: 1年前から作業進められていたそうですが、道路台帳調べるってことはわからなかったんですね?

グ: ……そうですねもうしわけございませーん。

情: 少なくとも私は今言いましたので、もう二度と今日以降私道を走るってことはありませんよね?

グ: あ、そうですね、私の方からですね、ユーザの方のご意見として早急に上の者には伝えさせて頂きますので、

情: 対応はいつになるんですかね? 明日の朝には土木事務所に行けますよね?

グ: そうですね、私の方ではちょっとそこまではわかりかねるんですが、

情: わかりかねるんじゃなくて、対応いたしますよね?

グ: ご意見としては伝えておきますが、

情: 対応するしないの判断は、結果はいつ教えて頂けますか。

グ: あ、あのー、とくにですね、個別にお客様に対して結果報告というのはしておりませんので、あの、ご意見としてお伝えするということしか申し上げられませんが。

情: 対応するしないというのは誰が判断するんですか?

グ: 私ではわかりかねますがー、

(以下略)


結局、法務の回答は得られずじまいなのだそうだ。

感想: 「法務に確認する約束だったじゃないか」という追求に対して、「法律で定められているものではないかと存じますので、とくにその必要もないかと思うんですけども」と答えてしまう、この担当者はいったい何者なんだろうか。じつは法務は存在しないのではないか?

先日の記者会見でグーグル社は、「国ごとの法規制や文化にきちんと対応していきたい」「グーグルはさまざまなフィードバックに対して耳を傾けている」「今後はカスタマーサービスについて改善を進めていく」「日本のユーザーからの意見を取り入れていきたい」などと調子のいいことを言っていたが、こんな対応をしていて本当にそのつもりがあるのか?(このやりとりは1か月前のものであるにせよ。)

とにかく、会見で「フィードバックに対して耳を傾けている」と約束されているのだから、疑問のある人はどんどんグーグル社に電話で質問をしていけばいいと思う。(私はもうおそらく相手してもらえないだろうから、他の人にお願いしたい。)

道路台帳で私有地進入が確認できる事例

横浜市の場合、道路台帳がインターネットで閲覧できるようになっている。

これを使って、明らかな私有地(道路でない場所)への進入が確認される様子を示す。

図2で、グーグルの撮影作業員は、右に入り込んでいるが、ここは見るからに道路ではなく、舗装されているとはいえ、住人が通路として使うただの空き地だ。


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図2: 見るからに道路でない空き地に入り込んでいる事例

これが道路台帳ではどうなっているかというと図3の通りで、道路に該当しない(どの色でも塗られていない)ところにグーグル社は入り込んで撮影していることがわかる。

地図の画面 地図の画面 地図の画面
図3: 上:Googleマップ、中と下:横浜市道路台帳

もうひとつ例を挙げると、図4は、横浜市内であるにもかかわらず、舗装されていない通路に入り込んでいる事例である。田舎なら舗装されていない公道もあるのかもしれないが、横浜市内でこれが公道だと、常識的に言って普通、思うだろうか?


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図4: 横浜市内で舗装されていない通路に入り込んでいる事例

奥まで入り込んで、撮影作業員は「まずい所に入った」という認識を持ったに違いないが、このように撮影がキャンセルされることもなくそのまま写真公開に至っている。

地図の画面 地図の画面 地図の画面
図5: 上:Googleマップ、中と下:横浜市道路台帳

こういう事例はすぐに見つかる。この周辺にも公道でないところへの進入事例がいくつもある。

グーグル株式会社はこういうチェックを行っていない。上記の情報提供者が電話した際にも「データを持って走行させて頂いているわけではない」とグーグル株式会社自身がそれを認めている。「公道から撮影している」というのは大嘘で、出鱈目に走り回っているのが実態だ。

そして、公道からなら見えないはずのものが撮影されて公開されている。

*1  この文書もなんだか、ちゃんと日本向けにローカライズされているとは言い難い翻訳的文章だ。「Googleの所有物です」というのはいったい何が言いたいのか? 諸外国でも文書が配られているとどこかで読んだが、文面は同じなんだろうか。


2008年10月12日

今週のグーグル私有地進入事例 ブリヂストン社宅、富士重工社宅

ブリヂストン東京工場社宅の事例


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図1: ブリヂストン東京工場社宅に進入して撮影した事例

富士重工業武蔵野社宅の事例


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図2: 富士重工業武蔵野社宅に進入して撮影した事例

下の写真のところから進入したようだが、こんな公道があるはずもないことくらいわからないものだろうか。


2008年10月15日

グーグルは交通法規も平気で無視する

再三警告された「自動車通行止め」を豪快に無視した事例

タレコミ(情報提供)を頂いた。グーグルのストリートビュー撮影カーが、通行止めの交通規制を豪快に無視した事例があるという。図1がそれだ。

ストリートビューの画面キャプチャ
図1: 通行止め標識を無視して進入する様子

現在はストリートビューで表示できなくなっている*1*2が、昨日までは図1の画面を見ることができた。

この事例について情報提供者のブログで詳細にレポートされている。


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図2: 通行止め区間を通行していく様子(前に進むことができる)

「反対側から入ったのでは?」などと言う人が出てきそうなので念のため示しておくと、図3のように、画像のつなぎ目から図1のところから進入したことがわかる。


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図3: 図2の位置で後ろを向き、下を見た様子

これだけだと「自転車で入ったのでは?徒歩で入ったのでは?」などという人が出てきそうなので示しておくと、この先の図4のところで、窓に撮影カーであるプリウスの姿が映り込んでいるのが見える。


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図4: 通行止め区間を通行中の撮影カーが窓に映り込んでいる様子

私も気になったので、一昨日の体育の日に、現地を見に行ってきた。

図5は、図4と同じ位置を歩行者の目の高さで撮影したものである(一部配慮して画像を加工)。

現地写真
図5: 図4と同じ位置の現地写真(歩行者の目の高さから)

このように、通常の通行人の目に入る景色とは全く異なるものをグーグル社は撮影して公開している。同様に他の家についても図6、図7、図8のように全く異なることがわかる。

現地写真
図6: ストリートビューの視点と現地歩行者の視点

現地写真
図7: ストリートビューの視点と現地歩行者の視点

現地写真
図8: ストリートビューの視点と現地歩行者の視点

話が逸れた。話を戻す。

図1の通行止め標識は、現地で実際に見てきたところ、図9のように遠いところからも十分に目立つものであったし、フェンスで囲まれていて圧迫感があるため異様さに気付く。標識は両側に立てられているし、その他にも看板が両側にあるという、くどいほどまでに警告されている。グーグル株式会社の撮影カーはこれを無視して通行したわけだ。

現地写真 現地写真 現地写真
図9: 遠くからも見える両側の通行止めの標識と看板

いったい、どういう指導を受けているのだろうか。

これらの標識の裏には、東京都公安委員会が設置したものであることを示すシールが貼られており、本物の交通規制だ。グーグルストリートビュー撮影カーが「居住者用車両」に該当しないことは言うまでもない。

現地写真 現地写真
図9: 標識裏の東京都公安委員会の札

道の途中から突然通行止めになっているのは、ここがちょうど新座市と清瀬市の境界だからのようだ。航空写真(図10)で見ると道が急に狭くなっていることがわかる。また、周囲には防衛省の国有地があちこちに散在していた。このフェンスの左側も国有地のようで「立ち入り禁止」のフェンスで囲われていた。


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図10: 問題の場所の航空写真

現地写真 現地写真
図11: 周囲には国有地が散在する

グーグルの撮影カーは東側の広い道からここへ来たわけだが、この通りに入る交差点のところに、「この先300m 自動車通行止め」の予告標識が立っていた。しかも、両脇に2つあるのに加え、右折で入ろうとしても左折で入ろうとしても標識が目に入るよう、それぞれの方向にさらに2つある。これらを目にしながらグーグルは入っていったわけだ。


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現地写真 現地写真 現地写真 現地写真

図12: 通りへの入口の交差点にある予告標識

また、撮影カーが通り抜けた反対側にも、しっかりと自動車通行止めの標識と看板があった。


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現地写真

図13: 反対側にも自動車通行止めの標識

大量の「居住者用車両以外通行止め」標識を無視している事例

情報提供者の方は、他にも、グーグルが通行止めを無視して撮影した事例を多数公開している。

東伏見4丁目の現場〜まとめ〜」では、以下のようにレポートされている。「居住者用車両以外通行止め」もしくは「自転車及び歩行者専用」の標識で囲まれた一角があり、ほとんど全ての入口に標識があるのに、グーグルストリートビュー撮影カーは、この中の住宅地を網羅して撮影しているという。

緑と青の印のところに標識があるのだそうだ。たしかに何か所か確認してみると、ストリートビューでもそれを確認できる(図15)。


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図15: 「自動車通行止め(東伏見4、5丁目地区居住者用車両を除く)」の標識

図16のように、下を向くと、写真の継ぎ目で、撮影カーのプリウスの銀色の車体が一部残っていることから、自動車で通行したことがわかる。


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図16: 写真の継ぎ目でプリウスの車体が一部残っている

情報提供者から「東伏見付近にもある」と聞かされたとき、私も自力で別の事例をすぐさま見つけることができた(図17)。

いったいどれだけの数あるのか。

西東京市の一角がストリートビューの空白地帯になっていることが以前話題になったが、 情報提供者のブログによると、「旧保谷市(現西東京市)には広大なストリートビュー空白地帯があるけど、こういう通行止めが多いのも関係しているかもしれませんね」とのことだ。

もしそうだとすると、グーグル株式会社はこの一帯の「居住者用車両以外通行止め」の存在を認識していることになり、だとすると、これだけ数多くそれを無視した区域があるのはどういうことなのか?という疑問がわく。もし、撮影が終わってから消したのが空白領域なのだとすると、撮影時の交通違反を事前に防止しなかったのかという点が問題となる。どういうことなんだろうか。これ以上の追求はジャーナリストの仕事であり私にはできない。

情報提供者のブログを見に行くと今日もアップデートされており、別の事例が追加されていた。

二輪以外の自動車の通行が禁止された狭い道を通行した事例

8月にも、他のブログで、通行止め標識を無視した事例がいくつか報告されていた。

二輪の自動車以外の自動車の通行が禁止されるほど狭い道を走行し、高いところから塀の中を見下ろして撮影している。

二輪以外の自動車通行止めを二度通行した事例

上のブログのコメント欄にも酷い事例が指摘されていた。


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図19: 二輪以外の自動車通行止め区間を通り抜けた様子

上の図のように、この順の方向で通り抜けたようだ。

ところが、この途中に丁字路があってそこも撮影カーは通っており、下の図のように北東側から進入していることがわかる。これは車両通行止め区間を二度通ったということではないか。


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図20: 通行止め区間を二度通ったと思われる様子

つまり、次の図のように通行したのではないか。うっかり通ってしまったというレベルではない。

画面キャプチャに補足した図
図21: 推測される通行経路

こんな無法者を、警察は放置しておくのですか? 現行犯でないと交通違反は取り締まれないと聞きますが、これほど状況証拠を残しながら組織的に大量に違反している事例は前例がないでしょう。「居住者用車両以外通行止め」は無視していいものですか? このくらい許されるという風潮が既成事実化してしまって良いのですか?

グーグル株式会社としては「交通違反は運転手の責任だ」と言うのかもしれない*3。ならば、写真に撮影者の署名(運転者の氏名の表示)をしてはどうだろうか。コンビニの店員だって名札を付けているではないか。

追記

他にも以下のブログでも、同様に交通違反の指摘がされていた。

*1 昨日まで、図1の地点のすぐ後ろで何枚かが「この画像はなくなりました」状態になっていた。別件で削除要請があったものと思われる。それが今日、ストリートビューで、削除済み地点の経路情報の消去処理が一斉に行われたようで、その部分は移動することもできなくなっている。

*2 今後は、削除した場合に「この画像はなくなりました」の表示も見ることができなくなるのかもしれない。そうなると、グーグル社が削除件数を公表しない限り、どれだけ不適切な画像が掲載されていたのかの実態が不明なままとなっていくだろう。

*3 走行距離当たりの出来高制で報酬を与えているとか、その種の原因で、無理な走行を助長していたりはしないのだろうか。そういうこともジャーナリストの方々に解明して頂きたい。


2008年10月18日

今週のグーグル私有地進入事例 寝屋川の公営住宅で「駐車場荒らし」

寝屋川市の淀川河川公園のあたりを見ていたところ、なにやらストリートビューにトゲトゲとした特徴的な形状の部分(図1)があったので、拡大してみたところ、これまでになく非道な撮影事例であることに気付いた。

ストリートビューの画面 ストリートビューの画面
図1: 寝屋川市にある特徴的な形状のストリートビュー路線

これはいったい何なのかというと、これは公道でないどころか、道路ですらない、いやそれどころか道ですらないもので、住居の駐車場前の空き地(車が出入りするため舗装されているところ)をくまなく全部走行し、そこから見える住居の様子を撮影しまくったものだ。

この事例に気付いたのは先月のことだったが、思い出して再び見に行ってみたところ、ほとんどの場所が「この画像はなくなりました」になっていた。


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図2: 「この画像はなくなりました」となっている様子

ほとんどの場所が「この画像はなくなりました」になっているにもかかわらず、なぜか、1つのブロックだけ残されている。


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図3: なぜかここだけ残されたブロック

住人の希望で残されたものか、グーグル株式会社のいつもの小鳥並みの仕事のせいなのかわからないが、ここだけでなく、他のブロックも同様に撮影カーは走破しており、通常なら常識的に写真撮影されることなどないであろう、住宅の様子が撮影され公開されている。

グーグル株式会社が9月に記者会見で述べた言い訳が口から出任せの大嘘であることは明白である。

  • グーグル副社長が初めて語ったストリートビュー問題, ASCII.jp, 2008年9月29日

    ——ネット上では「公道以外で撮影された画像がある」との指摘もある。撮影者に対してはどのように指示をしているのか。

    Walker氏 ドライバーには運転前にグーグルのトレーニングを受けてもらっている。もちろん、「公道以外は撮影しない」が基本だ。現場では、標識と地図でベストな判断をしているが、まれに公道と私道の区別が難しい場合もある。そうした道路に関する情報を、もしお持ちであれば、ぜひ我々に教えていただきたい。何らかのミスがあった場合には、削除で対応させていただく。

今週のグーグル交通規制無視事例(1)

前回の事例に続き、情報提供者の方が他にもたくさんの事例があるとしてご自身のブログに綴られている。車両通行止めについて、代表的な事例を選び出すと以下などがある。

どうやら交通規制の無視も私有地進入同様に無数にあるようだ。

また、他の情報提供者からのタレコミもあった。横浜の山下埠頭の「港湾関係者以外立入禁止」区域に入り込んでいるようだ。黄色の巨大なゲートがあり、両側に立入禁止の標識がいくつもある。


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ストリートビューの画面

図4: 「港湾関係者以外立入禁止」を無視して進入している事例

奥深くまで入り込んで走り回ったようだ。


2008年10月19日

行動ターゲティング広告の暴走を止められるか(日記予定)

先週、NIKKEI NETに寄稿した記事が掲載された。

今日は時間切れなので詳細は来週あたりに書くことにして、以下関連資料。

前半について:

後半について:


2008年10月25日

今週のグーグル私有地進入事例 稲毛海岸の団地大量進入

ストリートビュー撮影カーが集合住宅の敷地内通路や駐車場に入り込んで撮影している事例は、そこら中の公団住宅、公営住宅、公務員住宅などで散見され、それらしき場所を何か所か拡大表示してみるとすぐに該当事例が見つかるほどだ。

そんな中でも、JR京葉線稲毛海岸駅周辺の団地群は、広大な区画にわたって大量に進入している事例が見つかる特異な場所だ。

画面キャプチャ
図1: 稲毛海岸駅周辺

上の図のように、公道にしては不自然な曲がり方をした青い線が多数見える。拡大表示してみると、下の図のように県営住宅、市営住宅、公団住宅などが密集していることがわかる。

画面キャプチャ
図2: 拡大表示すると団地が密集していることがわかる

これらをストリートビューの画面で確認したところ、下の図のように、赤で示した部分が敷地内通路や駐車場への進入部分だった。

画面キャプチャ
図3: 住宅敷地内通路に進入して撮影した地点(赤で示した部分)

撮影作業員がいかに非常識かを示すいくつかの事例を以下に示しておく。


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図4: 集合住宅の玄関前通路に入る様子


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図5: どう見ても公道ではない


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図6: 「私有地に付……禁止します」と書かれた立て札を無視して進入している

キャプチャ画面
図7: 1つ目で行き止まりだったのに残り2つにも入っている

今週のグーグル交通規制無視事例(2)

先週の紹介に引き続き、ブログ「気になる現場」が今週もグーグルの交通規制無視事例を次々と列挙している。

私も周辺を見ていたところ、ひどい事例を見つけた。


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図8: 石畳の神社の参道を通行

どうしてこんなところに入る気になるんだろう……と思いきや、どうやら逆向きに走行したようで、図9のところから入り、ここから出たようだ。


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画面キャプチャ

図9: 車両通行止めの標識が見える

ここは、Googleマップの地図上でも道路として表示されていない道であるため、ストリートビューの青い線が正常に表示されていない。


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図10: 図9の道を通行中の写真(後ろ方向)


2008年10月26日

住宅ストリートビューの国際比較 アメリカ・フランス・日本

プライバシー問題に敏感なお国柄のように見えるアメリカが、ストリートビューについては他の従来の問題に比べると、さほど致命的なバッシングが巻き起こっているわけではないように見える。ごく一部の地域で始まった初期のころには顔も自動車ナンバーも丸出しであったのが、今ではぼかし処理されるようになった点も効いているのだろう。私の感覚では、アメリカの住宅地のほとんどは、現在のストリートビューでさほど問題がないように思える。

一方の日本はどうか。訴訟が1件も起きておらず、行政も何も懸念を公式には示しておらず、報道も両論併記の紹介程度の記事がわずかにあったにとどまるという表面的な動向からすると、アメリカより拒否感が小さいかのように見られるかもしれないが、日本は元々、プライバシー問題に対して行動で示さず裏でグチグチ不満を言うお国柄であるため、実際のところはわからないのではないか。ストリートビュー写真に対する削除要請は相当な数にのぼっているようだが、グーグル株式会社はこの件数の公表を拒んでいる(報道機関に対して)。

アメリカではそれなりに常識的な範囲で実施されたストリートビューが、日本では、日本の文化に合わせるローカライズ作業を一切サボって、アメリカでのやり方をそのまま持ち込んだため、アメリカにない質での拒否感が生じているはず——私はそう思い、これまでこのような活動を続けてきた。この、文化の違いが嫌悪感を生んでいるのではないかとする説は、ストリートビューが始まった8月の時点で幾人かの人たちによって考察されていた。

このことについて、ヨーロッパではどうなんだろうかという点がずっと気がかりだった。先週、フランスの6つの都市でストリートビューが本格的に開始したというので、早速フランスの住宅街の撮影状況をストリートビューで確認してみた。

私は、国際文化比較をする専門性はないし海外の実情も知らないので、淡々とストリートビューの写真を列挙するにとどめる。

アメリカの場合

まず、アメリカの典型的な住宅地のストリートビューを確認する。適当に選んだ都市の「航空写真」画面で、住宅専用地区になっている様子の部分を適当に選んでズームし、ストリートビューを表示してみる。

このように、適当に選んでいるとどこを見ても似たり寄ったりとなる。次に、できるだけ狭い場所を探す意思を持って探してみる。

古い都市や山のある地域なら道の狭い住宅街があるのではないかと考え、以前訪れたことのあるピッツバーグの一角を見てみた。


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図2: ペンシルバニア州ピッツバーグ近郊

日本にも近い感じのところがあるような感じがする。

もしかするとアメリカでは地域によってストリートビューに対する感じ方が違うのかもしれないと思い、ニュース記事を検索してみたところ、次の記事があった。詳細はまだ検討していない。

その他、サンフランシスコもせせこましいイメージがあるが、どうだろうか。


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図3: カリフォルニア州サンフランシスコ近郊

昨年サンフランシスコを訪れた際は、ずいぶん徒歩で歩き回ったので、住宅街もかなり見たが、そんなに狭い感じはしなかった(上の場所はそのとき歩いた場所またはその近く)。このように道路はそこそこ広い。(最後の一枚は観光スポット化している場所なので住人も覚悟が通常とは違うと思われる。)

先月、ある情報セキュリティの専門家と話をしていたとき、ストリートビューに話題が及んだ際、彼は「アメリカだって同じですよ」と言うので、「じゃあ、日本みたいに狭くて至近距離で家が撮影されている場所を教えてくださいよ」と言ったところ、彼が示してくれたのは以下のあたりだった。


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図4: カリフォルニア州サンフランシスコ中心部(南部)

なるほど、たしかに狭い。しかし、何かが日本の情景とは違う。この近辺を見てみると、中には無防備な家もあるものの、多くの家は、一階に窓を設けていなかったり、塀のある家もあるが塀の高さが2.8メートルくらいあるようでストリートビューでも中を覗けない。

フランスの場合

次に、フランスの場合を見てみる。フランスではパリ、リヨン、マルセイユ、ニース、リール、トゥールーズの6つの都市が先週から見られるようになった。

まず特徴的なのは、都市の中心部はたいてい、図5のような5、6階建てくらいの同じような建物が建ち並んでいて、道は狭いが、一階部分は商業施設か窓がない構成になっているようだ。


リヨン中心部

リヨン中心部 その2

パリ都心部

図5: フランスの都市中心部の典型的な情景

こういった地区では、住居に対するプライバシー懸念はあまり噴出しないかもしれない。

次に、都市近郊または郊外の住宅街を見てみる。

アメリカほど道は広くないようだ。日本と比べるとどうだろうか。

塀や生け垣が見られる。高さは比較的低く(日本と同じくらいか)、覗かれるのを防止しているというより敷地の境界を明確にしている目的のようにも見えるが、これは、実際に現地で人の目線で写真を撮ってみないとわからない。日本でも、ストリートビューで見ていると「元から丸見えのところ」と誤解してしまい、現地に行って初めて見えるものがまったく違うことに驚愕したものだ。

フランスでもストリートビューは塀や生け垣の上から覗き込む形になっており、この点についてフランスの人たちがどう反応するか興味深い。

できるだけ狭い道をと意識して探したところ以下の事例があった。


リヨン近郊

リヨン郊外

図7: フランスの住宅のある狭い路地

東京に近い狭さを感じるが、こういった地区がどのくらい多いのかはわからない。

そもそも、今回フランスの都市で閲覧できるようになった地域は、日本での場合と比べてかなり狭い範囲に限られているようだ。東京や大阪はかなり広い範囲が既に公開されれているのに対し、フランスでは、計ったような範囲でしか公開されていない。都市から離れた場所での状況がまだ見えない。日本で言う仙台や札幌のような状況にとどまっている。今後、公開される地域が拡大するにつれて、フランスでどんな反応が出てくるかが興味深い。

ところで、フランスのストリートビューでは、アメリカや日本と違って、ズームが3回できる(3回ダブルクリックできる)ようになっている。撮影された写真がそれだけ高解像度だということだ。そのため、家の窓の中まで見えてしまうことに対する批判が噴出するかもしれない。


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図8: フランスのストリートビューのズーム機能

図8の下の事例のように、比較的遠くに映った家でも3回ズームするとかなり詳細に見えてしまう。

一方、自動車のナンバープレートは、かなり正確に遠くのものまでぼかし処理が施されているようだ。


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図9: フランスでは自動車ナンバーがしっかりと消されている様子(ズームして確認できる)

それに対して日本のストリートビューでは、自動車ナンバーは一切ぼかし処理されていないわけだが、どういうつもりなのか。

それから、フランスのストリートビューでも(日本ではそこら中に見られる)私道や敷地内へ進入している事例がいくつかあるようだ。

日本ほど多くはないように思えたが、どうだろうか。

次に、日本では洗濯物が写っていることが問題とされることがあるが、フランスではどうだろうか。洗濯物が見える写真はあまり見当たらなかったが、ないわけでもなく、以下の事例があった。

日本の場合

さて、日本ではどうだろうか。いまさらではあるが、アメリカやフランスとの直感的な比較のため、適当に選択した場所をいくつか列挙しておく。


横浜郊外

横浜郊外 その2

図13: 横浜の住宅街


札幌近郊

札幌郊外

図14: 札幌の住宅街

おまけ

ニースで見つけた展望スポット

修正(27日)

重すぎてブラウザがクラッシュするため、各図の1つ目のストリートビューだけ埋め込みとし、その他はリンクからひとつひとつ閲覧するようにした。


2008年10月28日

号外 グーグル私有地進入事例 調布飛行場でバリケード連続突破

昨日、こちらの方のブログで、調布飛行場の立入禁止区域に進入しているという事例を見かけ、証拠保全のため画像を確保してから仕事に出かけたところ、帰ってくるともう「この画像はなくなりました」となっていた。

図1: ストリートビュー撮影カーが調布飛行場の立入禁止区域に進入し
バリケードを突破する様子(クリックでアニメーション表示)


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図2: 現在は「この画像はなくなりました」の状態

この種のケースは、警告を無視して進入した行為自体が問題であり、「消せば済む」という問題ではない*1。グーグル株式会社は9月の記者会見で、「ドライバーには運転前にグーグルのトレーニングを受けてもらっている」と説明していたが、どんなトレーニングをしているのかとの問いに対しては「非公開なので」と回答を拒否しているそうだ。

これだけ誰の目にも明白な立入禁止場所へ堂々と侵入し、女子高にも侵入して憚らず、集合住宅の駐車場荒らしはそこら中で散見され、交通法規も無視しまくり、そして個々の住宅の私有地にもさんざん入り込んでいるわけで、しかもそれをノーチェックでリリースしているというのだから、どんな惨い写真がたまたま映ったとしても公衆送信されてしまうに違いない。

こうした傍若無人で無慈悲な振る舞いこそが、人々の社会生活に「いつ自分がどんな被害にみまわれるかわからない」という不安を新たに生じさせているわけなのだから、「言われた写真を消して終わり」という話ではない。

P.S.
28日のNHKニュース9でストリートビューが扱われたらしい。見逃してしまった。残念。

*1 ちなみに、女子高に侵入した事例では、誤って入ってしまったにせよ、それを認識しながら引き返そうともせず撮影行為をそのまま継続した行為が問題である。


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