個人情報保護法改正の国会審議 第189回国会会議録から抜粋
(オプトアウト・名簿屋業法関係部分)

平成27年3月10日

衆議院予算委員会第一分科会第1号



平成27年3月25日

衆議院内閣委員会第2号



平成27年4月23日

衆議院本会議第19号



平成27年5月8日

衆議院内閣委員会第4号



平成27年5月13日

衆議院内閣委員会第5号


○井上委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。


(略)


○泉委員 続いて、名簿屋の対策であります。


 長田参考人そして坂本参考人からもお話がございましたが、当然不正な取得については問題だということでありますが、お二方から、双方あったのは、おかしな名簿屋についてしっかりと規制をかけることが大事であって、一般事業者に過度な負担になってはいけないとこれは恐らく寺田参考人も当然そういうお考えだと思いますし、ある意味、事業者への配慮と、大変重要であろうかなというふうに思います。

 そういう中で、長田参考人、先ほどお話しいただいた中で、具体的にどうこうというのは難しい部分もあるかもしれませんが、おかしな名簿屋だけをうまく取り出すということについては大変難しいところがあると思うんですが、何か現段階でお考えがあればお聞かせください

 そして、坂本参考人の方でありますけれども、同じように、名簿屋対策、一般の事業者に広がらないようにという話でありますが、これも何かお考えになられている手法があるかどうかというのをお聞かせいただきたいと思います。


○長田参考人 言っておきながら大変難しいお答えになるんですけれども。

 検討会のときからずっと申し上げておりますのは、先ほど申し上げました、オプトアウトで名簿をつくることができるというのがまずおかしいのではないかということが一つあります。それは、たとえ委員会に届け出たとしても、そこに我々が到達するということはなかなかできないし、名簿は買ってみないと自分が載っているかどうかわからないんですね。なので、そういう題名の名簿がつくられているということがあっても、それを我々普通の者が判断することができないということが一つなので、オプトアウトでそういう名簿が作成できること自体をまず規制すべきだというふうに考えています。

 そして、いわゆるそういう名簿屋についての実態調査というのが実はされていないのだと思います。先ほど日弁連さんからもお話がありましたけれども、まず、ぜひしていただいて、何とかそこをくくる努力をしていただきたい。その上で、それを法的に規定して、そこに規制をかけるということをしていただきたいというふうに考えています。


○坂本参考人 これはまたなかなか難しいんですけれども、まず実態調査をきちっとしないとあかんというのはそう思いますし、本当は、名簿屋を規制するということであれば、ほかにも、例えば泥棒が盗んだ物を古物商に持ち込んで換金する、これは昔からたくさんあったので、古物商に関しては古物商を取り締まるための法律がありますよね、警察に届け出をさせるのを含めて。あるいは、消費者金融については、違法な高利貸しを取り締まるために、きちっと都道府県に登録を義務づける、こういう法律があります。

 そうしてみると、やはり、名簿屋を規制するんだったら、名簿業者はこういうものだというふうにきちっと規定して、名簿業者になるためには登録する等の要件を課す、そこにはきちっと指導する、それ以外で名簿屋みたいな取引をしているところについては禁止をする、あるいは何かの規制をかける、そういう形で名簿業者としての規制を図るべきだ、こういうふうに思います。


○泉委員 ありがとうございます。

 まさに、古物商のお話も出てきましたが、そこをどうできるかどうかというところが一つ焦点かと思います。保護法の十七条でも、一応、取扱事業者の不正取得の禁止というのはあるわけですけれども、個人情報取扱事業者ということでいえば、それは広範にわたってしまうわけですから、そこからどう切り出すかということであろうかと思います。

 私も何か方法はないかなと考えたときに、それが反復的に営業を、名簿の売買を通じて反復的な何か収益を上げているですとか、何かしら形をつくって切り出すということになろうと思いますけれども、まさに古物商のお話もありました。

 宇賀参考人、今のお二方の御意見を伺って、この名簿屋対策、考え得る切り出し方というものが何かありましたら、お答えください。


○宇賀参考人 この名簿屋の問題は非常に深刻で、名簿屋の販売している名簿、これが振り込め詐欺等の犯罪に使われているということも多々あるというふうに伺っております。

 したがって、今回、名簿屋対策として、トレーサビリティーの確保という観点から規制が設けられたということは、私は評価しているのでございますが、御指摘のように、本来、名簿業者の業としての規制ができれば一番望ましいと考えております。

 これまで主務大臣制でございましたので、名簿業者を監督する主務大臣がそもそも存在しなかった、そのために実態も把握できていないということが、名簿屋の業としての規制が現在困難になっている背景にございます。

 しかし、個人情報保護委員会が立ち上がれば、個人情報保護委員会は名簿屋に対しても監督権限を持つということになりますので、早急に名簿屋についての実態を調べていただいて、そして、行為規制にとどまらない、業としての規制ができるかどうか、それをぜひ早急に検討していただきたいと考えております。


○泉委員 今、各参考人から寄せていただいた実態調査については、共通の御意見ではないかなと思いますので、これはぜひ政府の方にも伝えていきたいというふうに思います。

 そして、長田参考人からお話があった、オプトアウトでの名簿作成の規制という一つの御提案ですけれども、ございました。これについて、宇賀参考人そして寺田参考人、お考えをいただければと思います。


○宇賀参考人 現在、名簿業者は、第三者への提供の際にオプトアウトの手続をとっている。しかし、実際には、このオプトアウトの手続が形骸化しているために、ベネッセの事件もそうでしたけれども、名簿業者を通じた個人情報の転売ということを全く本人が把握できていないということがございました。

 そこで、今回、このオプトアウト手続について、それを個人情報保護委員会に届け出をして、そして個人情報保護委員会の方でそれを公表するということで、これは一歩前進であるというふうに理解しております。

 本来、名簿業者に限ってそういう規制をするということができればいいわけですけれども一般の、名簿業者でない者も、個人データの第三者提供、それも反復して行うということは広く行われておりますので、なかなか名簿業者だけを切り出すということが現段階では困難なので、今回、こうした形で、一般的な形でオプトアウトについての形骸化を少しでも防止する方策が入ったということは、これは一歩前進というふうに評価しておりますが、最終的には、先ほどの繰り返しにはなりますが、名簿業者の登録制の導入などによる監督がぜひ必要ではないかと考えております。


○寺田参考人 オプトアウトによっていろいろな情報を収集する、これはネット上ではごくごく一般的な方法であります。ですので、一般法規制的な形でこういったものが規制されるというのは非常に影響が大きい。やはり、何がまずいことなのか、いけないことなのか。名簿屋といいましても、一般的に皆さんが意識する、リストになったりとか紙になっているようなものではなくて、ネット系の世界では、データブローカーあるいはデータエクスチェンジャー、それぞれ役割が複数にあって、どこからどこまでが問題を起こすところなのかといったところに関しても、まだまだ調査しなければいけない部分が多々あるかと思います。

 ですので、やはり構造をはっきりとさせた上で、必ずボトルネックとなる部分がありますので、そういったところを狙い撃ちにするような、そういった形をもって、一般的なオプトアウトのそういった規制につながっていかないようにというふうにぜひ考えていただきたいなと思っています。


○泉委員 ありがとうございます。大変参考になりました。


(略)


平成27年5月15日

衆議院内閣委員会第6号


○泉委員 民主党の泉健太でございます。

 本日、個人情報保護法の審議ということで、またマイナンバーの審議ということで立たせていただきましたけれども、先ほど近藤委員からも西村副大臣のことについては少しお話がありましたので、私も、その質疑を通じて、聞かれたことをも含めて、改めてもう一度確認をしたいというふうに思います。


(略)


 さて、続いて、いわゆる名簿屋対策であります。

 この名簿屋の問題については、この委員会でも再三取り上げられました。やはり難しいですね。誰しも名簿を持っております。我々も名簿を持っておりますし、誰しも名簿を持っている時代、不法に取得をした名簿を売買する、あるいは不法に統合した名簿を売買する、そういった悪徳業者というものもあるでしょうし、一般的には顧客名簿を当然抱えている普通の事業者がおりますので、そういったところ、普通の事業者については過度な負担が求められるようなことがあってはならないということで、一つ一つ配慮をこれからしていただかなければいけない、それがまず基本的にあると思います。

 そこでなんですけれども、参考人質疑でも、やはり何とかしてこの名簿屋対策はしていただきたいという御意見が数多く出されました。そういった意味では、いろいろと、法律の中でどう仕組みをつくっていくのかというのはありますが、例えば古物商なんかは、別法で古物商として法律がかかっていますねという話。要は、流通するものが名簿なのか、それとも古物なのかという違いなんだから、そういったこともうまく使って名簿屋対策を、切り出しができるんじゃないかという御意見もございました。

 そういう中で、この名簿屋対策について、まず、基本的に大臣がどのようにお考えになられているかをお聞かせください。


○山口国務大臣 いわゆる名簿屋対策でありますが、御指摘のとおり、大変大きな問題でございまして、国民の皆さん方の関心も非常に高い。

 今回、個人情報保護法の改正で、御案内のとおり、トレーサビリティーの確保等のさまざまな規定も設けることにしております。これによって、やはり、いわゆるそういう名簿事業者に対して、相当なある意味での対応にもなってくるのではなかろうか。そういった中で、名簿事業者の皆さん方がどういうふうなことになっていくんだろうかというふうなことも、しっかり注視をしていかなくてはいけないんだろうと思っております。

 これは確かに、お話しのとおり、一般論としては、特定の事業を行う事業者に対して、特別の法令等を設けていわゆる業規制を行う、これは可能であろうかと思います。ただ、もうこれも御存じのとおりで、多くの事業者が何らかの形で名簿を取り扱っておるというふうなことが考えられるわけで、しかも、その量も全く違ってくるんだろう、この範囲の切り出しというのが非常に難しいなと。適切な事業を行っておる方にまで過度な規制がかかってしまうというふうな問題もあろうかと思います。

 今、実は、政府部内においても、関係省庁と相談をしながら、関係省庁連絡会というふうな中でさまざまに検討しておるわけでございますが、どうか議会の方としても、ある意味、これは議員立法というふうなことも視野に置きながら御検討賜ればと思う次第でございます。


○泉委員 大臣から御示唆もいただいたところでありますけれども、議員立法を促す御発言もございましたので、田村筆頭そして高木筆頭とよくよく話をして、我々も前向きに対処してまいりたいというふうに思います。

 まさに今、その業規制、確かに、例えば普通の企業でも、派遣労働者が随分とふえるようになってからは、各企業ごとに派遣会社を持つケースだとかも出てくる。そういう意味では、新しく各企業に広く法律がかかってくるということもあったりするわけでありまして、そういった意味では、私は全く不可能ではないんだろうなと。

 こういった古物商を例にとりながら、業として、反復性ですとか継続性ですとか、当然一定の要件はあると思いますけれども、一般的な名簿の流通とはまた違う、一定の規模で行うものについては、やはり業として行うものということのくくりが何らかできるのではないのかなと思っておりますので、ぜひ、まずここは議員立法かもしれませんが、その連絡会の議論の進捗も教えていただきながら、いい形をつくっていきたいというふうに思います。

 一方で、どんどんこの個人情報の法案の審議、そして、今後法案ができ上がってくれば、当然ながらさまざま細かな点も決まっていくわけですので、やはり私は、今、連絡会もあるということですが、この名簿屋の実態調査、これはぜひ行っていただきたいというふうに思います。

 そしてまた、実態調査をしていただけるということであれば、その上での、どんなポイントについて調査を行うのかということについても、この場で御説明いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


○山口国務大臣 これは今回の改正法もあるわけでありますけれども、その状況も見ながらというふうなことになろうかと思いますが、御指摘の実態調査、この実施につきましては、名簿や名簿事業者の具体的な対象範囲とその実態の把握方法、これも含めて、今回の措置の実施による効果、これも踏まえながら、今後、先ほど申し上げましたいろいろな機会の中で検討を進めてまいりたいし、その中でまた、今申し上げたどういうふうな形で実態調査をやっていくかということも検討を進めていきたいと思います。


○泉委員 これは、かつて私も、探偵業法という法律を立法したことがあります。自民党は葉梨先生と一緒にさせていただきましたけれども、これも、考えてみると、探偵、中にはよからぬ方法で身辺調査をしている人たちもたくさんいる中で、業法をつくるということはそれを一定認めるということにもなるじゃないかという議論が随分ありましたが、しかし、その探偵業法をつくることがやはりできたわけですね。

 そういった意味では、登録制みたいなことになるんだと思いますが、やはりこういうものは十分可能であろうというふうに思います。しかし、まずはこの実態調査、これをぜひお願いしたいというふうに思います。

 そして、もう一つ、これは名簿屋ということではないんですが、まさに先ほどお話をしたように、一般の事業者にトレーサビリティーの確保ということについての過度な負担があってはならない。特に小規模事業者においてはそれは大変重要な影響を及ぼすというふうに思います。

 そういった意味では、ぜひ法施行後に、事業者、特に小規模事業者への実態調査をしていただきたいというふうに思っておりますが、いかがお考えでしょうか。


○山口国務大臣 確かに御指摘のとおりなんだろうと思います。

 この規律の導入、これによりまして、事業者にとって、とりわけ小規模事業者に過度な負担になるというふうな懸念も示されております。具体的な記録の作成方法とか記載事項について定める個人情報保護委員会規則の策定に当たりましては、事業者の負担に最大限配慮をして、事業者の方々の御意見、これも丁寧に聴取をしながら検討することがぜひとも必要であろうと思っております。

 さらに、法施行後も、その実態について適宜ヒアリングを行う等、適切な運用のあり方を検討していくということは大変重要であろうと認識をしておりまして、その際には、特に御指摘の小規模な事業者にどのような影響が出ておるかという点についても丁寧に聴取をしてまいりたいと考えております。


○泉委員 ぜひ、名簿屋の実態調査、ヒアリング、そして一般事業者、特に小規模事業者へのヒアリングや実態調査、これをお願いしたいというふうに思います。


(略)


平成27年5月20日

衆議院内閣委員会第7号


○山尾委員 民主党の山尾志桜里です。


(略)


 次なんですけれども、いわゆる名簿業者対策ということについてお伺いをしたいと思います。

 皆さんのお手元に資料を配付させていただきました。これは、平成二十六年の一年間、そしてこの日付であることしの五月に至るまで、警察庁が把握をしているいわゆる名簿業者の検挙事例。これは、現在、私が御質問をして、いただいた、把握をしている限りでは、いわば一年五カ月、この三件であるというふうに伺ったんですけれども、その確認を警察庁の方からさせてください。


○辻政府参考人 お答えをさせていただきます。

 資料でございますけれども、個人情報を販売した行為を捉えて名簿業者を検挙した事案として、平成二十五年から現在までに警察庁に報告のあったものをまとめたものでございますけれども、二十五年中はゼロでございました。二十六年が二件、二十七年が一件で、合計三件ということでございます。


○山尾委員 御訂正、ありがとうございました。

 そうしますと、これは次に法務省にお伺いをしたいんですけれども、この資料にあります一、二、三、それぞれの最終的な処分の内容を副大臣の方からお伺いしてよろしいですか。


○葉梨副大臣 資料にございます一の詐欺幇助事件につきましては、送致を受けた被疑者一名は、起訴猶予を理由とした不起訴処分でございます。

 それから、資料の二の貸金業法違反幇助事件でございますが、送致を受けた被疑者三名、いずれも嫌疑不十分を理由として不起訴処分としております。

 資料の三の不正競争防止法違反事件でございますけれども、現在、検察当局において捜査中であるものと承知しています。

 なお、この事件に関しては、顧客情報を不正に入手したエンジニアについて不正競争防止法違反の罪で公判請求がされており、現在、同事件の公判が係属中であるものと承知しております。


○山尾委員 お答えできればお伺いをしたいんですけれども、一番の事件の起訴猶予とされた理由は何でしょうか。


○葉梨副大臣 委員も御存じのとおりで、個別の事件でございますので、なかなか、証拠の内容、その評価にかかわる事柄についてお答えするのは差し控えなければならないと思っておりますが、一般論として申し上げれば、被疑事実が明白な場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときに起訴猶予とされるものと承知しております。


○山尾委員 まず、この資料、そして今いただいている答弁から感じる課題は、検挙そのものが、なされるべき検挙がしっかりなされているのであろうか。もしかしたら、これは警察だけの問題ではなくて、立法にも問題があるのではないかという点も感じます。

 平成二十六年はこの一、二の二件だということですけれども、平成二十六年、これはいわゆる特殊詐欺、振り込め詐欺なんかも含むいわゆる特殊詐欺の被害というのは過去最高を記録しています。認知件数は一万三千三百七十一件というのが警察庁の発表であります。

 もちろん、認知件数というのはこれは氷山の一角で、そういった犯罪が全て別に名簿を使ったとも限りませんし、いわゆる情を知って売るような、そういった名簿業者から必ずしも得たものとも限らないわけですけれども、とはいえ、こういった犯罪については相当数が名簿といったものを犯罪の中核的ツールとして使用しているわけで、そして、何らかの形でそれを提供した人の中には、認識の濃淡はありながらも、犯罪に使用される可能性を認識しながら、感じながら提供したということもやはり相当数あるんだろうというふうに容易に想像がつくわけです。

 私の問題意識は、一つは、こういった犯罪に定型的に利用されるような名簿の供給元については、やはり政府として何らかのアクションが必要なのではないかということも思うわけです。

 まず一つ、これは法務省に、副大臣に最後に一つお伺いをします。

 一番は起訴猶予だ、そしてこれは一般論で言えば、被疑事実は明確であるものの、情状等を鑑みて、検察官の起訴便宜主義の中で起訴猶予という判断にしたと。

 これは私の意見ですけれども、もし犯罪事実が明確であったなら、情を知りながら名簿一万件を販売したということが明確であるならば、こういったものをやはりそう簡単には不起訴にしない、猶予にしないというようなある意味の意識改革が、これから先、より必要になってくるのではないかというふうに思うわけですけれども、最後に副大臣のコメントをいただけますか。


○葉梨副大臣 本件、先ほども申し上げましたとおり、個別の事案についてなかなか、私から申し上げるのは非常に困難でございますけれども、個人情報保護あるいは名簿業者の問題、今おっしゃられたような振り込め詐欺の状況等の中で、やはり具体的にどのような位置を占めていくのかということも勉強をさせていただきたいなというふうに思います。


○山尾委員 副大臣、戻っていただいて結構です。法務委員会の方、やっておりますので。

 もう一件なんですけれども、もう一つの方は嫌疑不十分で不起訴になったというお話がございました。嫌疑不十分ということは、有罪立証に至るまでの証拠が集まらなかったということだと思うんですけれども、大体の場合、情を知りながら、これを知っていたということの立証が難しくて、なかなか起訴に至らないということがあり得るんだろうというふうに思います。

 そこで、お伺いをします。

 今回、八十三条というのが新設されまして、それが、個人情報取扱事業者等が、その業務に関して取り扱った個人情報データベース等を自己もしくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、または盗用したときは、一年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処する、こういう新しい法改正が予定をされております。

 この処罰規定、いわゆるそういった懲役、罰金を含めた処罰規定というものが初めてこの法の中で新設をされるということですけれども、これまでの法律と比べて、この八十三条が新設されることによって、今まではなかなか立件が難しかった犯罪がこういった点でより容易になっていく、捕まえるべきものを捕まえることができるようになるというような御説明をいただきたいんですけれども、警察庁、いかがでしょうか。


○辻政府参考人 お答え申し上げます。

 これまでも、犯罪に関与いたしました名簿業者につきましては、詐欺や闇金融の幇助罪で取り締まってきたところでございます

 このような悪質名簿業者を検挙できるかどうかということにつきましては、証拠がどれだけ収集できるかなど、個別具体の事件ごとに判断されるということになってくるものでございますので、今回の法改正によりまして取り締まりが容易になるかどうかということにつきまして、にわかにお答えするのは大変難しいわけでございますけれども、ただ、御指摘の条文につきましては、個人情報の提供行為を処罰するということでございますので、警察としては、適用することができる罰条がふえるということになりますので、こういったものをまた有効に活用しながら、悪質業者の取り締まりに努めてまいりたいというふうに考えております。


○山尾委員 こういった罰条がふえることによって、いわば取り締まるべきものを取り締まれる一つの選択肢がふえるということだとは思うんです。

 ただ、やはりこの法文を見ますと、事業者に当たらないものは対象にならない、あるいは、業務に関して取り扱っていない場合は対象にならないということがあるわけです。

 まずは、この八十三条の新設によって、どういった事案が検挙されることになり、今まで必要とされるものに取り締まりの及びが不十分だったところをどこまでカバーできるのかという検討を今後しっかりしていただきたいということが一点ございます。

 そしてまた、そのこととあわせて、最後に大臣にお伺いをしたいわけです。もう一つ、やはり業法としての事前把握、事前コントロールの問題なんです。

 今申し上げたように、取り締まりに対して八十三条の新設は前進だというふうに私は思っています。ただ、今申し上げたような、多分、相当網から漏れる部分というのも残っていくし、今回の法改正でいわば個人情報の利活用の後押しがされるんだというような認識が広がることによって、ちゃんと違法なもの、不正なものは取り締まっていくという要請は逆により広がるんだろうと思います。

 そういう中で、業法としての名簿業者さんというのは、それ以外の個人情報取扱事業者と異なって、名簿そのものを売買することで利益を上げるわけです。だからこそ、性質上、犯罪集団からのアクセスの可能性が類型的に高いと思うので、当然、犯罪集団からのアクセスを是としているわけでないのはわかりますけれども、ただ、その販売そのもので利益を上げている以上、一段高い責任というのがやはりあってしかるべきなんだろうと私は思いますが、業法としての今後の検討について、いかなる考え、どのような場をお考えか、最後に一言お願いします。


○山口国務大臣 今回、御指摘のとおり、この八十三条、新たなツールができたわけでありますので、そこら辺もしっかり利活用といいますか、使っていただきたいし、同時に、今回、トレーサビリティー等々、いろいろな仕組みを入れましたので、いわゆる闇に潜っているものでも、出てきたところからたどることができるというふうなことはあろうかと思います。

 同時に、お話がございました、業法というふうなことでありますが、一般論としては、当然、そういったもので業規制を行うというのは可能であろうと思っていますが、ただ、先生もお話がありましたように、やはり優良な個人情報事業者といいますか、そこら辺の線引きが非常に難しいというふうなこともこれありということで、特別な規制に関しましては、政府としましては、今回の措置の実施状況等も見ながら、所管省庁も含めて、さらなる措置の必要性についても検討はしてまいりたいと思います。


○山尾委員 ぜひお願いします。ありがとうございました。


○井上委員長 次に、緒方林太郎君。


○緒方委員 民主党、緒方林太郎でございます。


(略)


 今回、個人データの第三者提供に係るオプトアウトの手続を用いることについて、通知または容易に知り得る状態にすることによって、またはかかる内容を届けることとしということで、その届け出事項を個人情報保護委員会が公表することとしたとしても、例えば高齢者の方で、自分の名前がそこの何かデータベースを扱っている業者さんのところに入っていることをそもそも知り得ていない人、知らない人もしくは知っていて外してほしいなと思ったとしてもインターネットでオプトアウトの手続が書いてあったとしても、そもそもインターネットを使っていない人、仮に書いてあったとしても、やはり高齢者の方からすると、例えばここの番号に電話を下さいといっても、それに電話するなんて結構勇気が要るんですよね全然知らない業者のところに電話して、済みません、私、どうもおたくのところに入っているようなんですけれども、それをどけてくださいと言うのは、そこまでアクションを起こすのは結構勇気が要るんですよね。

 そういう方々に対して、そもそもオプトアウトという言葉が多分わからない方もたくさんいるわけでありまして御希望であればあなたを外してあげますよということが書いてあってもそれだけで十分にオプトアウトの手続をとるアクションに至らない方、こういった方々への対応。けれども、心の中では、実は自分の情報がどうもあそこにあるらしくて、そんなことが勝手に使われていることが気持ち悪いとは思っているんだけれども、そのアクションを起こすところまで至らない方々、特に今、日本は高齢化社会が進んでいるので、そういった方々がおられると思います。

 こういった方々についてどう対応していくことが望ましいとお考えでしょうか、向井審議官。


○向井政府参考人 お答えいたします。

 オプトアウト手続、今回の改正によりまして、個人情報保護委員会に対する届け出というのが出まして、そこのサイトにアクセスすれば全てが見られる、そういうふうになっていますが、おっしゃるとおり、個々の人でそういう情報弱者と言われる方々がそう簡単にアクセスできないというのも一つはあろうかと思います。

 これらの方につきましては、できるだけ、それぞれの方の生活実態によろうかとは思いますけれどもまず一つは、そういうふうなことがあるということをちゃんと広報していくこと。そういうものが気になられる方の場合には、例えばお子さんなりあるいは施設に入っておられる方だったら、そういう施設の人なりが成りかわって何らか見てあげるようなことも必要になってくるのかなというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、オプトアウト手続というのは、今回、これまでなかった話を届け出というふうな形でやろうと思っておりますので、これらができますと、そのサイト自体が世の中の監視にさらされることによりそういう監視の目が多数まさに個人情報保護委員会のサイトに集まることによって適正な効果が働き得ればいいなというところも一つあるのではないかと考えております。


○緒方委員 法律の仕組みとしてはパーフェクトだと思います。法律の仕組みとしてはパーフェクトでありまして、それを回避するための手段もきちんと提供するように書いてありますということなんですが、私の支持者にも結構高齢の方がおられて、そういった方々がいろいろな、今連想しながらも、あのおばちゃんはこれができるかなとか、やるかな、いや、きっとやらないだろう、その顔が思い浮かぶんですよね。

 東京の霞が関で検討し、この国会で審議し、そして法文上、見ている限りはこれはパーフェクトです。はっきり申し上げます。これはパーフェクトなんですけれども、実態としてそれが機能しないことがあり得るということだけ、大臣、一言お願い申し上げます。


○山口国務大臣 おっしゃるとおりなんだろうと思います。私自身も怪しいなと思いながらも面倒くさいのでなかなかやりませんし、特に御高齢の方は、ここへ電話してどうなんだろうかということもあろうかと思います。

 そういったこともあるんですが、そこら辺はもちろん、先ほど答弁をさせていただいたようにいろいろ広報とかあるんでしょうが、一つは、実は国民生活センターの方に、ちょっとおかしいなと思ったら御連絡いただくということもあるんだろうと思いますね。あるいは、個人情報保護委員会あるいは認定個人情報保護団体、そういったところへ御連絡いただくというのも一方の手なんだろうと思いますが、消費者庁を担当しております大臣としては、そちらの方へもしっかり御連絡をいただければと思います。


○緒方委員 どうしてもそういうオプトアウトの手続が、ネット上に、例えば一ページ目のところにどんと書きなさいみたいな感じのことだと思うんですけれども、そもそも字が小さかったら読めないみたいな感じの方もおられるわけでありまして、実態をよく見ていただきたいというのと、日本の社会の今の構成をよく見た上でやっていかないと、やはり絵に描いた餅になってはいけないというふうに思うので、そこはよろしくお願いいたします。

 もう時間も少なくなってまいりましたが、今回の法案によって、トレーサビリティーであるとか、第三者提供に関する届け出とか、確認、記録義務の規定が設けられているわけでありますが、私は、では、名簿屋の中で、しかも悪質な名簿屋の対応が本当にこれで十分かということについて、若干の疑義を持つものであります。

 かつて私も、今からもうかなり昔ですけれども、突然、大学の緒方さんのクラスの名簿ありますよね、売っていただけませんかと電話がかかってきたことがあります。これは二十年ぐらい前です。かかってきて、クラス、六十人ぐらいの名簿だったんですけれども、結構いい額を言われまして、三千円とか五千円とか言われた記憶があるんです、当然売っていないですけれども。

 そういうことがありまして、そのときの記憶をたどってみると、二十年前の話でありましたけれども、多分そういう人というのは物すごくアンダーグラウンドな方だと思っていて、そもそも何か店舗を開いて名簿のやりとりをしているとかということではなくて、メモリースティックか何かを持っていて、それだけを持って動いていって、必要な方のところに行ったら、ではと言って、ぴっとやってファイルを移動して、それで終わりというような、そういうアングラ化している方もいると思います。

 先ほどの答弁でもありましたとおりですが、表に出てきたところで、ばくっと捕まえるということでありましたが、それだけで本当に十分かなという気持ちがあります。これはお願いでありますけれども、今回の法制度を施行してみた後に、それでも取り締まることが難しい業者さんというのはいると私は思います。今回の法制度、さまざまな画期的なものを盛り込んでいると思いますが、これで終わりじゃないんだ、これから必要に応じて取り締まりはやっていく、先ほど業法の話もありました、そういったものも含めて、これで終わりじゃないんだ、そういう理解でよろしいですね、大臣。


○山口国務大臣 これは、先ほども御答弁申し上げましたように、今回の改正で、やはり一つは、そういったアンダーグラウンドも含めた名簿業者を念頭に置いた改正でありますしトレーサビリティーをしっかり把握できることによって、効果はそれなりに出てくるんだろうと思っております。

 ただ、やはりそれでもなかなか網羅し切れない部分も出てくるんだろうというふうな思いもしますので、そこら辺は、法執行をして状況を見ながら、そして同時に、どういう方法があるかも含めて検討していきたいと思います。


○緒方委員 かつてそういうちょっと不思議な経験をしたがゆえに、この件、リアルなものとして自分自身捉えられるところでありまして、やはり、普通に生活していると、自分の情報がどこでどう取り扱われているかということについてはわからないところもたくさんございます。しかも、それがアングラ化しているということになるとなおさらでありまして、ここについては、さまざまな方法があると思いますけれども、対応をよろしくお願い申し上げます。


(略)


平成27年5月26日

参議院内閣委員会第9号


○委員長(大島九州男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。

 これより質疑に入ります。

 質疑のある方は順次御発言願います。


○相原久美子君 民主党の相原久美子でございます。今日はよろしくお願いいたします。


(略)


 個人情報の保護強化、開示請求についてお伺いしたいと思います。

 本改正では、第三者提供に係る記録の作成義務及び確認、いわゆるトレーサビリティーの確保ですとか、不正な利益を図る目的による個人情報データベース提供罪の新設、本人同意を得ない個人データの第三者提供への関与、いわゆるオプトアウト規定の見直しなど、個人情報の保護強化についての改正も含まれております。

 名簿の不正流出対策がいかに実効性あるものとなるかが課題ですが、本人同意を得ない第三者提供については、本人に選択の機会を与えるため、オプトアウトの前置期間を、いわゆる商品でいうとクーリングオフですかね、そういうようなものを設けて、その間は第三者提供を禁止して本人への通知を義務付けるべきではないかと思うのですが、これに関してはいかがでしょう。


○政府参考人(向井治紀君) 現行法におきましても、事業者がオプトアウト手続を用いる場合は、本人が第三者への個人データの提供の停止を求めることができるよう、一定の事項をあらかじめ本人に通知し、又は容易に知る状態に置かなければならないと規定しているところでございますが、御指摘のとおり、現保護法の運用におきましては、オプトアウト手続を用いていることを本人が十分認知しているとは言い難い事例、例えば、ホームページに掲載いたしましても、どの事業者が何をやっているかというのを一々見るわけにいかぬし、非常に困難でございますので、こういう問題があることから、今回、届出制というのを導入したわけでございます。

 したがいまして、こういう、これまで解釈に委ねておりました通知又は容易に知る状態の具体的な方法をまず委員会規則で定めるということが一つございます。それから、オプトアウト手続に係ります本人通知事項を届出制といたしまして、届出事項を委員会が一覧性をもって公表すると、そこを見ればどういうことが行われているのか分かるというのが大事であろうと思っております。

 委員御指摘の前置、あらかじめというのの具体的な期間の設定につきましては、業界ごとの特性も踏まえつつ、例えば認定個人情報保護団体の個人情報保護指針での対応等も含めまして、今回の措置の実効性を確保できるように適切に対応してまいりたいと考えております。


(略)


○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。


(略)


 名簿屋対策について質問いたします。

 去年九月九日、内閣府の消費者委員会が、いわゆる名簿屋等に関する今後検討すべき課題についての意見と題する文書を公表いたしました。その初めの部分には、自己の個人情報については、自らがコントロールできることが原則であるべきである。自己の個人情報のコントロールを確保するためには、第一に、個人情報取扱事業者が個人情報を保有する際には、本人の同意を得ているか又は同意を得ている状態に準ずる状態にあることとあります。第二に、本人の意に沿わない個人情報の保有に対し、本人からの利用の停止又は消去ができるようにすること。第三に、前述の第一、第二の規律が実効的に行われるよう、個人データの流通に係るトレーサビリティーを確保し、個人データをどの事業者がどのような経緯で保有しているかを本人が把握できるようにすることが必要である。これらの条件が満たされていることにより、個人情報が架空請求や詐欺的投資勧誘等の犯罪行為に悪用されることへの懸念といった消費者の不安感が払拭されるとともに、個人情報の悪用による被害の発生、拡大が防止されることにもつながると考える。以上に鑑みると、現行法には緩やかに解釈運用され過ぎている面があると考えられると書いてありました。

 消費者委員会にお伺いします

 この第一の個人情報取扱事業者が個人情報を保有する際には、本人の同意を得ているか又は同意を得ている状態に準ずる状態にあることについて、現行法で緩やかに解釈運用され過ぎているのはどういう点か、またそれをどのように改めるべきか、説明ください。


○委員長(大島九州男君) 黒木消費者委員会事務局長、簡潔にお願いいたします。


○政府参考人(黒木理恵君) はい。

 お答え申し上げます。

 御指摘の部分でございますけれども、現行法の下では、事業者が本人の求めに応じて個人データの第三者提供を停止する旨等のオプトアウト手続をホームページ等に掲載すれば本人が容易に知り得る状態に置いていると解されておりましてそのような現実においては、本人が十分認知していない状態のまま第三者提供がなされているのではないかということでございます。

 この点につきまして、意見においては、「本人の同意なしに個人データの提供を行う側の事業者のみならず、その個人データの受領者にも第三者機関への届出義務を課し、届出を受けた第三者機関が届け出られた事項を公表することを制度化すべきである。」というふうに述べております


○山本太郎君 ネットでオプトアウトは可能だという部分に関して解釈運用され過ぎている、たったそれだけですか。され過ぎているという表現になりますかね、それって。もっとほかにもあるんじゃないですか。そうでもない。


○政府参考人(黒木理恵君) お答え申し上げます。

 ここで想定していたのは、事業者のホームページ等にお届けいただければ対応しますということが書いてあるだけということですと、個人の消費者はそのホームページにたどり着くことも難しいし、あるいはそれを見付けることも難しい。どのホームページにそのような記載があるかということも分からないことが多いので、実際には形骸化しているのではないかという考え方だったというふうに理解しております。


○山本太郎君 済みません、もう時間がないのでここまでなんですけれども、またもう一回、長いこと聞けそうなので、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。


○委員長(大島九州男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。


平成27年5月28日

参議院内閣委員会第10号



平成27年6月2日

内閣委員会、財政金融委員会連合審査会第1号



平成27年6月2日

参議院内閣委員会第11号



平成27年6月4日

参議院内閣委員会第12号